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死亡は過労原因 バイク事故男性の遺族が提訴

社会 | 神奈川新聞 | 2015年4月25日(土) 03:00

 川崎市内で昨年4月、会社員の男性=当時(24)=がミニバイクで帰宅途中に事故を起こし死亡したのは過労が原因として、男性の両親が24日、勤務していた植栽装飾会社を相手に慰謝料など約1億650万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁川崎支部に起こした。

 事故は昨年4月24日午前9時10分ごろ、同市麻生区早野の県道で発生。ミニバイクが電柱に衝突、男性は頭を強く打って間もなく死亡した。男性は横浜市都筑区内の同社事業所から東京都稲城市の自宅に帰る途中だった。

 訴状などによると、事故直前の1カ月の時間外労働は計94時間で、事故前日の23日午前からは東京都千代田区で開かれるイベントの準備のため、徹夜で21時間連続で勤務。その数日前からも長時間勤務が続いていた。男性の事故は通勤災害と認められたが、事故当日は極度の疲労と睡眠不足で注意力が低下して事故が引き起こされたとして、同社側に安全配慮義務違反があったと主張している。

 同社は「訴状が届いていないので、現段階ではコメントできない」としている。

「真面目に働く人間軽視」


 念願の正社員登用から1カ月余。希望に燃えていたはずの青年の命は、徹夜勤務明けのバイク事故で失われた。提訴後、東京都内で会見した男性の母親(58)は、勤務先の過重労働が事故を招いたと指摘し、「真面目に働こうとする人間を軽視している」と涙ぐんだ。

 男性は2013年3月に大学を卒業した後も、就職先が決まらなかった。ハローワークで入手した数枚の求人票から「夜勤がないことを重視」(母親)して植栽装飾会社に応募。面接で試用期間代わりのアルバイトを打診され、これも正社員へのステップだと了承したという。

 同10月から働き始めたが、業界はクリスマスや正月を控えた繁忙期。アルバイトにもかかわらず、月110時間の時間外勤務を余儀なくされたこともあった。正社員となった後も、過酷な労働条件は変わらなかった。服を着たまま、布団も掛けずに眠り続ける息子を、出勤時間に起こすことさえためらわれた。

 事故直前には、準備していた食事にも手を付けなくなったという。母親が異変を察知し、昨年5月の連休中にあらためて相談する約束をした直後、事故は起きた。母親は「求人票を見て私が勧めた会社。できることなら代わってやりたい」と自責の念に駆られる毎日を過ごしてきた。

 男性の命日に合わせた提訴に、母親は「求人票に真実が記載されていれば、絶対に選ぶことはなかった。許しがたい労働環境」と何度も声を震わせた。

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