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焼け跡に遺体、額に刃物 現場近く傷害事件も 県警、関連含め捜査

社会 | 神奈川新聞 | 2015年4月22日(水) 03:00

消火活動に当たる消防隊員ら=21日午前6時10分ごろ、湯河原町宮下(読者提供動画より)
消火活動に当たる消防隊員ら=21日午前6時10分ごろ、湯河原町宮下(読者提供動画より)

 21日午前6時ごろ、湯河原町宮下、女性(66)方から出火、木造平屋建て約55平方メートルを焼いた。焼け跡から額に包丁のような刃物が刺さった女性の遺体が見つかった。小田原署は火災発生後に連絡が取れなくなっている女性(66)とみて身元の特定を進めるとともに、殺人事件として捜査を始めた。火災の6時間前には現場近くのマンションで住人の男性が若い男に鉄パイプで襲われる傷害事件が起きており、県警が両事件の関連を調べている。

 県警によると、遺体は寝室のベッド上で布団を頭まで掛けられあおむけの状態で見つかり、額右側に包丁のような刃物が柄の近くまで深く刺さっていた。顔の周りにも複数の傷があった。同日夜から司法解剖し、死因を特定する。

 女性(66)は1人暮らしとみられる。寝室隣にあるリビングが激しく燃えており、県警は火元とみている。遺体が見つかった寝室はすすけた程度だった。消防隊が到着した際、玄関は施錠されていたが、ガラス部分が割れていた。

 現場はJR湯河原駅から南西約200メートルの商店街の一角。

 遺体が見つかる6時間前の同日午前0時ごろには、現場から南東約350メートルの同町土肥4丁目のマンションで、60代の男性が無施錠の玄関から部屋に入ってきた若い男に鉄パイプで2回殴られ、頭部に軽傷を負った。男は湯河原駅方向に逃走した。

 同署によると、男は20~30代で身長約170センチ、灰色のパーカを着てフードをかぶり、口の周りをタオルのような布で隠していた。

 襲われた男性によると、男は長さ50~60センチの水道管のようなものを手に「おまえを殺す」と脅す一方、意味不明な言動も多かったという。


「話し好きな人」


 全焼した女性(66)方の周辺は「みんな知り合い」(近くのレストラン店員)という古くからの住宅街。独居ながら周囲に支えられ明るく暮らしてきただけに、住民は安否が分からなくなっている女性(66)を思いやった。

 近所の人によると、女性(66)は5人兄弟の末っ子で、両親と子どもの頃からこの地域で暮らしてきた。両親が亡くなった約20年前から1人暮らしとなり、5、6年前からは外出時につえや車いすを使うようになったという。

 町内の福祉作業所には、10年ほど前から通うように。「話し好きな人で、『近所の定食屋がおいしかったよ』とか『母親にお盆のお供えをした』などと話していた」と男性職員(33)は話す。作業所では刺し子やふきんの縫製などを真面目にこなし、週末に行われる餅つきやバーベキューなどの行事にも積極的に参加していたという。

 同作業所の男性所長(55)は、前日の20日午後3時半ごろ、送迎車で帰宅する女性(66)を見送ったのが最期の姿という。「元気に『さよならー』と言っていた」と振り返り、「コミュニケーション豊かな人で、けんかやトラブルは一度もなかった」と沈痛な面持ちで話した。

 事件を受け、湯河原町教育委員会は21日、町内の小学校全3校の授業を午後1時半で切り上げ、中学校の部活動の中止も決定。小学生は保護者に付き添われて下校した。22日も保護者と登校し、教職員や町職員、消防署員らが地域を巡回するという。

 73歳の男性は「1歳と3歳の孫がいるので心配。よく公園で遊んでいるが、今日ばかりは外を出歩かせることができない。早く犯人が捕まってほしい」と話していた。

 
 

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