
横須賀市本町2丁目の「どぶ板通り」で先月発生した住宅火災を受け、市消防局は、どぶ板通り商店街など古い建物の密集したエリアで火災予防を呼び掛けていく。
横須賀署などによると、3月15日午後1時35分ごろ、どぶ板通りに面した木造モルタル2階建てから出火、2階の約67平方メートルを焼いた。1階は飲食店で、2階で1人で暮らしていた高齢女性は、煙に気付き逃げた。観光客も訪れる日曜日の昼間とあって、現場付近は一時、騒然となった。
出火原因について、同署幹部は「断定はできないが、部屋の壁の内側にある配線から出火した可能性がある」と話す。同消防局は「火元が壁の内側であれば、漏電の可能性も否定できない」と推察している。
準防火地域の同商店街は飲食店などがひしめく。女性の建物は築70年といい、ほかにも終戦前後からの古い建物が残っている。
同消防局は「一般的に古い建物は配線など設備面で劣化している場合がある」と懸念。「ドブ板通り商店街振興組合」の越川昌光理事長は「個々の店が、火の元に十分気を付けてやっていくしかない」と話す。
市消防局は5月の大型連休明けから、どぶ板通り商店街や京急線横須賀中央駅前の若松マーケットで火災予防のリーフレットを配ったり、消火器の設置状況を点検したりして、防災への意識向上を呼び掛ける予定だ。