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刻む2016〈4〉被災地での国体 スポーツがつなぐ力

社会 | 神奈川新聞 | 2016年12月19日(月) 10:36

トライアスロンでは津波による甚大な被害を受けた地域を走り抜けた=岩手県釜石市
トライアスロンでは津波による甚大な被害を受けた地域を走り抜けた=岩手県釜石市

 スポーツは果たして被災者の力になり得るのか。東日本大震災から5年余。そんな疑念を抱きながら、われわれ記者2人はこの秋、国民体育大会(国体)が開催される岩手県に入った。

 トライアスロン会場となった、1145人の死者・行方不明者が出た釜石市。ここで見たのはありふれた週末の光景だった。

 今夏のリオデジャネイロ五輪女子代表の上田藍選手(千葉)が大歓声とともにゴールテープを切ると、子どもたちが触発されたように広場を駆け回った。かたや護岸に腰掛け、穏やかな海を眺めながら選手の到着を待っている人もいる。

 「オリンピック選手の姿を間近で見たかった。気持ちが明るくなる」。来場していた宮古市の宮本勝吉さん(59)、裕子さん(59)夫妻には希望を持てなかった日々の記憶がある。

 宮古もまた甚大な被害を受けた。死者・行方不明者は568人。宮本さんの自宅は幸い津波を免れたが、友人が命を落とした。変わり果てた街並みを見るのはつらく、夫婦は趣味のランニングから遠ざかった。

 それでも、再び前を向けたのはスポーツがあったからだとも言う。「趣味を通して知り合った友人やテレビで見る選手、みんなから元気をもらった」


 日本体育協会が国体開催の内々定を出したのは2007年。その4年後の3月に震災が起き、県は一時中止も検討したが、翌12年に実施を決めた。スローガンは「広げよう感動。伝えよう感謝。」。震災に加えて、ことし8月には台風10号による豪雨被害もあり、大会関係者には「復興のシンボルに」との思いが強かったと聞く。

 宮古湾にほど近いレスリング会場の模擬店で、せわしなく棒状にしたサケの身を揚げていた古舘誠司さん(58)と母篤子さん(80)も、大会への思いを共有していた一人だ。

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