
社会保険労務士で結成する異色のバンド「WORKERS!」が、県立向の岡工業高校(川崎市多摩区堰)の生徒との交流を楽曲に仕立てた。テーマは、高校生の目線で知る障害年金。「病気やケガをしても支え合って生きるための制度を知って」とメッセージを込め、卒業生と一緒にミュージックビデオも撮影した。
病気や怪我(けが)で 不自由な状況になっても プライドもって生きるための障害年金-。
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3月半ば、同高で新曲「HOPE~障害年金からの贈り物~」のミュージックビデオが撮影された。教室の黒板に描かれた鳥や花のチョークアートを背に、ボーカルの浜村友和さん(35)が熱唱する。少し恥ずかしそうに浜村さんと肩を組んで歌うのは、同高を卒業したばかりの渡辺晃希さん(18)だ。
WORKERS!は、社会保険労務士の男女4人が年金や雇用保険などをテーマにロック調の曲を作り、関東を中心にライブ活動を行うアマチュアバンド。渡辺さんは2年前に同高で行われたライブ形式の特別授業で、「歌詞にジーンときて」ファンになった。
都内のライブに足を運んで始まった渡辺さんとの交流が、浜村さんやピアノ担当でリーダーの中山卓さん(38)にインスピレーションを与えた。障害年金について知られていない現状にもどかしさを感じ、「高校生が障害年金を知っていくプロセスを曲にしよう」と思い立った。
渡辺さんも出演するミュージックビデオは、落ち込んでいた高校生が障害年金の授業で支え合いの仕組みを知り、元気を取り戻すストーリー。実際、メンバーに失恋の相談をしていた渡辺さんは「自分のことが曲になるなんて」とはにかむ。
「若い人が応援してくれるのは心強い」と浜村さん。高校生たちからの思いを受け止め、「社会保険や年金に関心を持ってもらうという使命を感じています」
ミュージックビデオは6月ごろ完成予定で、同高でのお披露目試写会も計画しているという。