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架空酪農一家題材の朗読劇 被災者の心届ける 横須賀で

社会 | 神奈川新聞 | 2015年4月8日(水) 03:00

本番に向けて稽古する劇団員=横須賀市立青少年会館
本番に向けて稽古する劇団員=横須賀市立青少年会館

 地域に根差した独自の芝居づくりを続ける「演劇集団THE素倶楽夢(すくらむ)」が、東日本大震災後に避難問題などで揺れる架空の酪農一家を題材にした朗読劇を行う。被災者の心の葛藤を描写し、「あのときを忘れず、寄り添い続ける気持ち」を伝える。

 公演「空の村号」は、福島県の原発周辺で酪農を生活の糧に暮らしていた5人家族の物語。東日本大震災直後に起きた原発事故以降、村が避難区域に指定されたことで家族は故郷を離れざるを得なくなった。

 放射能汚染を恐れ、手塩にかけて育てた牛たちを自らの手であやめなければならない。息子が父に問い掛ける。「なんでお父ちゃんは朝早く起きて牛の乳をしぼって、それを穴に捨てなくてはならないの」

 劇団主宰者の石渡アキラさん(66)は「被災者の中には、いまだに帰宅困難を余儀なくされている人がいる。先が見えない不安と絶望はいかばかりか。何よりも、被災地への関心が薄れ、風化しつつあることが一番つらいはず」との思いから難しいテーマを選んだ。

 3月下旬、石渡さんは福島県会津若松市の仮設住宅を訪れ、作品と同じように震災の影響で農業を断念した73歳の男性に取材した。男性は「この先、俺が生きている間にふるさとに帰れるかは分からない。でも帰りたい」と話した。帰還できても元の生活を取り戻せるのか。無念さをにじませたという。

 出演者が台本を読みながら声に出して演じる朗読劇は同劇団で初の試みで、ピアノの伴奏と芝居も織り交ぜる。石渡さんは「いかに登場人物の気持ちをくみ取り、彼らの心を届けるか」と、本番に向けた稽古に熱を入れる。

 「被災地の出来事を人ごとと思わず、自分たちの生活に重ねて寄り添うことが大事。ぜひ、子どもから大人まで見に来てほしい」と呼び掛けている。

 公演は18日(午後1時、同4時)。横須賀市立青少年会館。入場料500円(中学生以下無料)。

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