6月末をめどに返還される在日米軍上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷、旭区、約242万平方メートル)の国有地の一部(約1万3千平方メートル)でウドを栽培している農家に対し、国が返還に合わせて耕作地も戻すよう求めている問題で、横浜市が主導してウド栽培を継続していく考えであることが分かった。
市などによると、国は国有地を個人に貸せず、返還後も従来通り農家が継続して耕作地を使うことは認められないとしている。そのため市が国有地を利用する形で、特産品であるウドの栽培を継続する道を探る。
国有地は公共的な利用が求められるため、市は広く市民が利用できたり、農作物を研究したりするなどさまざまな使用方法を検討し、その中で地下のウド軟化栽培施設の活用も盛り込んでいきたい考えだ。
市は4月中に国有地の利用案をまとめ、ウド農家と協議した上で6月の返還までに国に提案する見通し。担当者は「国有地の農的活用を早急に検討し、ウド栽培の継続も図っていきたい」と話している。
27日の国と市、ウド農家の会合で説明を受けた上瀬谷うど出荷組合の青木和昭組合長は「ウド栽培が続けられるように市と相談していく。6月の返還後も途切れることなく国有地が利用できるかどうかは分からないが、来年の作付けに向けた準備はとりあえずやっていく」と話した。
【神奈川新聞】