◇地域振興の起爆剤へ
新たな観光振興策として、清川村は「道の駅」の整備に乗り出す。道の駅は国土交通省の登録を経て一般道路沿いに設けられる休憩施設で、県内には箱根、山北の両町に開所されている。村役場(同村煤ケ谷)周辺の既存施設を活用し、県内3番目の道の駅として11月のオープンを目指す。
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村によると、整備は大掛かりな改修工事は実施せず、村役場前にある村立交流促進センター「清流の館」を中核施設として周辺に点在する3カ所の駐車場などを活用するのが特徴。収容台数は合わせて118台で、このうち約半分を24時間利用にする。
清流の館は1996年の開業で鉄筋2階建て延べ床面積約440平方メートル。整備では施設に面する県道に案内看板を設置、1階の観光物産や農作物の販売と2階の観光情報のスペースをそれぞれ拡充する。
対象地域は村役場や生涯学習センター・図書館、保健福祉センターなど行政機関が集まる村の中心地。直面する人口減少への対策として豊かな自然など村の魅力をPR、移住・定住を呼び掛ける情報発信も行い、多機能な地域拠点を目指すという。
整備費は約1千万円で、国の地域活性化に伴う交付金を充当する。4月に同省に登録申請を行って11月21日の開業を予定している。
県内有数の観光地・宮ケ瀬湖を抱える村だが、レジャーの多様化や施設の老朽化を背景に、来訪者が減少傾向にある。2013年度の湖畔地区の観光客は約70万5千人で、ピーク(05年度)時の約3分の2に落ち込んでいる。
ただ周辺では、さがみ縦貫道路(圏央道)が今年3月に全線開通するなど広域的な幹線道路網の整備が進む。道の駅はこうした道路環境整備を視野に県と村が14年6月から検討してきた。
村まちづくり課は「清流の館の利用者は現在、年間約3万人。道の駅は知名度があり、約10万人に利用が増えると見込んでいる」と地域振興の起爆剤としての役割を期待している。
【神奈川新聞】