かつてハマの大通りを縦横に走った横浜市電と、その時代を回顧する写真展「路面電車の記憶展」が、横浜市中区の全国共済ビル地下1階「馬車道プラザみらい」で4月5日まで開かれている。入場無料。
神奈川新聞社主催。本社が撮影した約60枚の報道写真が展示されている。市電は1904(明治37)年に開業した路面電車で、最盛期には総延長52キロに達し72(昭和47)年の廃止まで市民の生活を支えた。
会場には「麦田のトンネル」と呼ばれた市電唯一のトンネルや、高島町付近で並走した東急東横線、開国100年を祝う花電車などの白黒写真が並ぶ。また、終戦間もないころに米軍接収地に建てられた「かまぼこ兵舎」、大流行した遊具「ホッピング」、東京五輪の聖火リレーなど、戦後の世相や風俗を示す写真も併せて展示されている。
市電で小学校に通ったという同区の林柏夫さん(65)は「懐かしい」と見入りながら、「杉田(磯子区)の終点近くは埋め立てられる前で、市電は海のすぐそばを走った。アサリがバケツいっぱい捕れた」と往時を振り返った。
午前10時~午後3時。問い合わせは、本社「路面電車の記憶展」係電話045(227)0812。
【神奈川新聞】