防衛大学校(横須賀市走水)の男子学生(20)が、上級生ら8人から体毛を燃やされるなどの暴行を受けたとして刑事告訴していた問題で、横浜地検は18日までに、いずれも22歳の3人を暴行の罪で略式起訴した。関係者によると、横浜簡裁は3人のうち元学生に罰金20万円、4年の男子学生2人に罰金10万円の略式命令を出した。
また、地検は告訴されていたほかの学生5人については、不起訴処分とした。いずれも11日付。
起訴状によると、元学生は2013年6月、防衛大の学生寮内で下半身に消毒用アルコールを吹き付け、体毛に火を付ける暴行を加えた。4年生2人は同10月と14年5月、学生寮内で顔面を殴るなどの暴行を加えた、とされる。
告訴状によると、被害学生と8人は、全寮生活の同部屋で生活。暴行被害のほか反省文を書かせられたり、携帯電話の無料通信アプリ「LINE(ライン)」で加工された写真を流されたりする被害を受け、ストレス性障害を発症したとし、昨年8月に傷害と強要容疑で告訴状を提出していた。学生は現在、実家に戻って静養している。
防衛大は「今後このようなことがないよう、学生の服務指導の一層の徹底を図り、再発防止に努めたい」とコメントした。
被害学生の代理人弁護士は「被害の実態と地検が認定した事実の隔たりが激しく、不満と言わざるを得ない」と指摘。「不起訴となった5人について検察審査会に申し立てをするか、民事裁判で上級生らに損害賠償を求めるか検討したい」と話した。
【神奈川新聞】