1. ホーム
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 食品の異物混入問題 広がる対策

食品の異物混入問題 広がる対策

社会 | 神奈川新聞 | 2015年3月18日(水) 03:00

眼鏡やゴーグルをかけたままでも目の虹彩を識別し入退室を管理するネエチアのシステム=綾瀬市
眼鏡やゴーグルをかけたままでも目の虹彩を識別し入退室を管理するネエチアのシステム=綾瀬市

 近年目立つ食品の異物混入問題をめぐり、食品工場での対策に関心が高まっている。意図的混入を防ぐフードディフェンス(食品防御)の技術を提供する動きや、社内研修などで社員の意識を高める取り組みが県内でも広がる。

 カップ焼きそばへの虫混入がインターネット上で投稿された昨年末以降、問い合わせが倍近くに増えているのは防犯機器製造・販売を手掛けるネエチア(綾瀬市)だ。

 この事案では、メーカーの事後対応のまずさも指摘された。ネエチアの担当者は「虫などの自然混入に絶対の対策はない」とした上で、「発覚後の正確な情報発信でダメージを最小化する視点が重要。迅速に事後検証ができる環境が必要」と語る。

 提案するのは、工場内をモニタリングしながら録画するネットワーク映像管理による監視カメラシステム。ハードディスク増設で商品の賞味期限に合わせて映像の長期保存が可能。画質もアナログカメラの最大6倍の高解像度で分析・調査に役立つという。

 事前登録した人の目の虹彩を見分けて工場内の入退室を管理するシステムもある。「ラインに部外者を近づけないのが第一」と担当者。2013年に群馬県内で起きた冷凍食品への農薬混入事件では、作業員が担当外の製造ラインに出入りできる環境だったことが問題視された。目で認証するのは「カードをかざす既存技術もあるが、それも『異物』になるし、ポケット使用を認めることのリスクも生じる」。眼鏡やゴーグルを着脱する必要もないという。

 三菱電機(東京都千代田区)も同様に食品工場向けの多様な技術を提案。入退室管理システムでは単独行動を防ぐため、2人続けて認証がないと入室できないなど、きめ細かい機能を採用している。

 同社によると、昨年末から異物混入事案が続いた影響で、システム導入の前倒しを図る企業も現れている。同社はさらに「20年の東京五輪に向け食品工場や外食の安全管理意識がさらに高まる」とみて、提案を強めていくという。

 業務用洗浄剤製造のシーバイエス(横浜市中区)は2~3月に異物混入対策の有料セミナーを開催し、混入を招きやすくする環境や予防法など情報提供した。「異物混入が発生すれば事業が止まるだけでなく、社のイメージを損なうリスクが生じる」と担当者。企業の個別相談にも応じている。

 昨年から週1回ほどの頻度で社員研修を継続しているのがコカ・コーライーストジャパンの海老名工場(海老名市)。工場環境の見直しや衛生管理といった日常の取り組みの中で、異物混入などのリスクを排除するフードセーフティー(食品安全)の視点で、独自の研修プログラムを組む。「カメラなどハードの対策と現場で働く職員の意識というソフト面の改革と、両輪で混入が生まれない環境を形成していく」狙いからだ。

 生産管理の分野でも外部業者への委託を徐々に減らしており、「製品の品質や安全をより身近でマネジメントできるよう」自社工場での生産に回す内製化も進めている。

【神奈川新聞】


異物混入防止などがテーマの独自の社内研修に力を入れるコカ・コーライーストジャパンの海老名工場
異物混入防止などがテーマの独自の社内研修に力を入れるコカ・コーライーストジャパンの海老名工場

東京五輪に関するその他のニュース

社会に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング