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藤沢「旧稲元屋呉服店」 登録有形文化財に

社会 | 神奈川新聞 | 2015年3月14日(土) 03:00

旧稲元屋呉服店の「一番蔵」 (藤沢市提供)
旧稲元屋呉服店の「一番蔵」 (藤沢市提供)

◇横浜の2件は重文に
 文化審議会(宮田亮平会長)は13日、国宝に東大寺(奈良市)の「木造弥勒仏坐像」と、醍醐寺(京都市)の「木造虚空蔵菩薩立像」を指定するよう下村博文文部科学相に答申した。1935年に法隆寺金堂(奈良県斑鳩町)の壁画を撮影した写真原板など美術工芸品39件の重要文化財指定も求めた。

 近く答申通り指定され、美術工芸品の重文は1万612件(うち国宝874件)となる。

 県内の重文は、横浜市指定文化財2件が答申された。横浜市大が所有する「新古今和歌集竟宴(きょうえん)和歌」は、1205年に後鳥羽院が新古今和歌集の完成を祝って催した歌会の和歌20首を収めており、鎌倉時代中期にさかのぼる最古の写本として貴重とされた。

 市内の個人所有で現在は山口県文書館に保管されている「過所船旗(かしょせんき)」と「能島村上家文書」が合わせて1件として答申された。「過所船旗」は、中世後期に村上水軍として瀬戸内海の制海権を持った村上家の家紋「上」が書かれた海上通行証。文書は村上水軍の歴史を知る上で最もまとまった資料群として歴史的価値が高いとされた。

 国宝指定の木像はともに平安時代前期の作。東大寺の仏像(高さ39センチ)はその後、奈良時代の大仏造営前にひな型として試作されたとの民間伝承を伴うようになって「試みの大仏」とも呼ばれてきた。大きな頭部に幅広い上半身といった特徴が大仏と似ており、審議会は「小さな像とは思えない雄大な造形を示す」と評価した。

 写真原板は法隆寺所有の363枚と、民間所有83枚の計2件。いずれも国宝保存事業で撮影した壁画12面が鮮明に残っている。1949年に壁画が焼損後、模写で再現する際の基礎資料になった。

◇藤沢の旧呉服店、蔵2棟が登録文化財に
 藤沢市藤沢に残る「旧稲元屋呉服店」の内蔵と一番蔵の2棟が、登録有形文化財とするよう文化審議会の答申に盛り込まれた。現在も使用されている蔵で、江戸期から続く豪商の暮らしぶりを現代に伝えているとして、文化的価値が高いと評価された。

 市郷土歴史課によると、土蔵造り2階建ての内蔵(建築面積37平方メートル)は1935年の建造。装飾を施した銅板の屋根や石積み風に仕上げた壁、耐火性を考慮した蛇腹4段の重厚な入り口などが特徴で、家財や文書を収める家財蔵として使われた。

 一方、内蔵の南側に並んで立つ一番蔵(同20平方メートル)は同じく土蔵造り2階建てで、明治中期の建造。白しっくいの壁や蛇腹3段の入り口が特徴だが、内蔵より意匠が簡素でみそなどの貯蔵庫として使われた。

 稲元屋は江戸期から続く旧藤沢宿を代表する豪商。かつては八番庫まで蔵があったが、1977年の火災で大部分を焼失した。残された2棟のうち特に内蔵は、丁寧な造作と優れた意匠を備え、稲元屋呉服店の盛時の財力を示す貴重な存在になっている。

 内蔵、一番蔵とも、現在も使用中で内部見学はできない。

【神奈川新聞】

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