首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内区間「さがみ縦貫道路」(都県境~茅ケ崎ジャンクション=JCT、約34キロ)が8日、全線開通した。
最後の整備区間だった海老名JCT-寒川北インターチェンジ(IC)の4・3キロがつながり、事業着手から27年を経て県土を南北に貫く大動脈が完成。湘南エリアが中央道や関越道方面などと直結した。
8日には、海老名南JCTで開通式典が行われ、真新しい道路で約50台が「通り初め」をして開通を祝った。
圏央道は総延長約300キロのうち約200キロが開通済みとなり、全国各地への移動時間短縮や一般道路の渋滞緩和などが期待される。
◇観光需要の喚起期待
全線開通した「さがみ縦貫道路」の開通式典が8日、建設中の海老名南ジャンクション(JCT、海老名市門沢橋)で開かれた。周辺自治体や県内の関係者ら約130人が出席し、事業着手から四半世紀以上を要した大動脈の完成を祝った。
さがみ縦貫道路は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部で、全線開通により湘南エリアが関越道や中央道方面などと直結した。江の島から長野・軽井沢までの所要時間は、従来の都心経由より約1時間20分短い約2時間50分になり、新たな観光需要の喚起も見込まれる。
この日の式典で、黒岩祐治知事は「日本の成長戦略はこのさがみ縦貫道の全通から始まる」とあいさつ。海老名・寒川両市町の小学生たちも加わってテープカットが行われ、県立湘南台高校(藤沢市)吹奏楽部の演奏で「通り初め」のパレードが披露された。
家族4人で見学に訪れた女性(38)=寒川町=は「今まで遠くて行けなかった場所も行きやすくなる。行動範囲が広がってうれしい」と笑顔を見せた。
会場には県内や関東、東北周辺の「道の駅」による物産品販売や、さがみロボット産業特区を紹介する特設コーナーなども設けられ、地元住民らでにぎわった。
【神奈川新聞】