神奈川新聞社の創業125周年を記念するJRの特別列車「カナロコ列車」が1日、横浜駅と群馬県の高崎駅を往復した。旅客列車がめったに走らない貨物線を体験する趣向で、約300人が非日常の乗り心地や車窓の風景を楽しんだ。
同列車は、ウェブサイト「カナロコ」の一企画「鉄道ノート」を発端に2010年にスタート。第4弾の今回は、かつて中央線の特急「あずさ」として活躍した電車の前後に、県の鳥カモメの絵をあしらった特製ヘッドマークを掲げた。
横浜を発車した列車は、住宅地の地下をトンネルで抜ける武蔵野貨物線を経由し、3時間ほどで高崎に到着。3グループに分かれ、大正~昭和初期の電気機関車や電車を保存、運行している上信、上毛の両電鉄、約30両の歴史的車両を展示する「碓氷峠鉄道文化むら」へと向かった。
家族6人で参加した横浜市中区の無職瀬間久男さん(67)は「貨物線は裏道を発見した気分だ」。両親と乗った相模原市緑区の小学校4年の男児(10)は「見慣れた駅が違う角度から見えた」と、新鮮な車窓に興味津々だった。上毛電鉄で現役最古級といわれる電車に乗った横浜市磯子区の会社員加山大助さん(48)は「昭和一桁生まれの電車に特別さを感じる」と話していた。
【神奈川新聞】