川崎市幸区の市民サークル「腹話術の会★きずな」は3月15日、会員が練習の成果を披露する毎年恒例の発表会「腹話術のつどい」を開催する。入場無料だが、4月に東日本大震災被災地で行う激励公演の資金カンパを来場者に呼び掛ける。きずな代表でプロの腹話術師しろたにまもる(城谷護)さん(74)は、「川崎からの応援メッセージとして届けたい」と話している。
「『こんなに笑ったのは1カ月ぶり』と声を掛けられた」。しろたにさんは、大震災発生翌月の2011年4月、きずなが宮城県の避難所で初めて激励公演を行ったときの様子をうれしそうに振り返る。被災地での激励公演は計19回、66カ所。会員は手弁当で参加してきた。
川崎での発表会は今年で9回目。これまでの発表会では被災地支援の義援金を募っており、6、7回目は大震災被災地支援を、8回目は13年10月の台風26号による伊豆大島の土石流被害への支援を訴えてきた。
今回は初めて、激励公演のための資金カンパを呼び掛ける。しろたにさんは「カンパを通して川崎市民が一つになって応援しているというメッセージを、被災した方々に届けたい」。そこには「参加会員の負担を少しでも軽くしたい」という思いもあるという。
4月の激励公演は福島と宮城の両県で行う予定で、現地と調整中。参加会員はこれから募集するが、きずなで腹話術を学ぶ川崎市の小学4年生でしろたにさんの孫娘と、横浜市の5年生の女児2人が参加を希望している。いずれも13年4月に福島で行った激励公演に参加した経験がある。
第9回発表会の舞台は、川崎市中原区小杉町の市総合自治会館。この女児2人を含む会員約40人が、腹話術、お猿人形の花笠音頭、人形フラダンス、マジック、南京玉すだれ-など多彩な芸を披露する。来場者による腹話術体験も行われる。
主に子ども向けの午前の部(午前10時半~午後零時半)と、大人向けの午後の部(午後1時半~4時半)が行われる。入場は予約制。申し込みは、きずな電話044(544)3737。
【神奈川新聞】