川崎市川崎区の多摩川河川敷で市立中学校1年の男子生徒(13)=同区大師河原2丁目=が遺体で見つかった殺人・死体遺棄事件で、現場近くの公衆トイレで発見された燃え残りの靴は男子生徒のものである可能性が高いことが22日、捜査関係者への取材で分かった。男子生徒は全裸で倒れており、川崎署捜査本部は犯人が証拠隠滅を図ったとみて調べている。現場付近で血の付いた折れた刃物が見つかっていたことも判明した。
捜査関係者によると、燃え残った靴に大手スポーツメーカーのマークがあった。捜査本部が母親に確認したところ、男子生徒も同じメーカーのマーク入りのスニーカーを普段から履いていたといい、男子生徒のスニーカーの可能性が高いとみている。
靴は、死亡推定時刻の約1時間後の20日午前3時ごろ、遺体発見現場から南東に約700メートル離れた伊勢町第1公園(同区伊勢町)の女子トイレ個室内で起きた火災現場で見つかった。一緒に見つかった衣類は激しく燃えており、靴底以外ははっきり判別できないという。
捜査関係者によると、新たに見つかった刃物は長さ数センチで、遺体が発見された現場から数十メートル離れた付近に折れた状態で落ちていた。地面に血痕があったという。近くで物を束ねるバンドのような物も見つかった。現場付近では上着も見つかっており、捜査本部は男子生徒の衣服の可能性もあるとみて調べている。
男子生徒の首には鋭利な刃物によるとみられる多数の刺し傷や切り傷があったほか、腕や顔にも複数の切り傷があった。捜査関係者によると、首の傷は深くまで達し、執拗(しつよう)に傷つけられており、捜査本部は強い殺意があったとみて調べている。
男子生徒は20日午前6時10分ごろ、川崎市川崎区港町の草むらで着衣や所持品のない姿で死んでいるのを発見された。
【神奈川新聞】