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【照明灯】離婚や夫婦のあり方

社会 | 神奈川新聞 | 2015年2月21日(土) 11:00

古川柳に〈こっちへは来ぬと里から騒ぎ出し〉とある。江戸時代、男性中心の社会で離婚を望む女性には、鎌倉・東慶寺に駆け込むという救済システムが存在した。姿を消した妻が実家にも現れず、大騒ぎになっている

▼鎌倉に住んでいた井上ひさしさんの時代小説「東慶寺花だより」(文春文庫)は、さまざまな事情を抱え、離縁を求めた女たちを描いた連作である。同作品を原案にした映画「駆込み女と駆出し男」(原田真人監督)が5月に封切られる

▼厚生労働省の推計によると、2014年は平均で49秒に1組が結婚し、2分22秒に1組が離婚した計算になる。離婚を申し立てる妻側の動機は「暴力を振るう」「生活費を渡さない」「精神的な虐待」「異性問題」が目立つ

▼足かけ3年にわたって東慶寺から出られない忍耐に比べれば、現代は離婚のハードルが下がった。とはいえ、多くが貧困や周囲の偏見に悩む。新たな人生を支え、女性を輝かせる社会システムの変更が求められる

▼最高裁は「女性は離婚後6カ月間は再婚を禁じる」「夫婦別姓は認めない」とする民法の規定が憲法に違反するかが争われた訴訟を審理することを決定した。初の憲法判断の内容によっては、離婚や夫婦のあり方が変わる可能性をはらむ。

【神奈川新聞】

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