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問題と解答
2015年度 神奈川県内公立高校入試

社会 | 神奈川新聞 | 2015年2月17日(火) 00:00

 2月16日に行われた平成27年度 神奈川県内公立高等学校 入学者選抜学力検査の問題と解答を掲載します。

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全日制

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英語 出題のねらい
 中学校で学習する英語の内容について、基本的な英語の力を中心に、英語のコミュニケーション能力をみることを主なねらいとした。

 具体的には、音声による英語を理解する力、単語を正しく書く力、文構造や語法を理解する力、日常生活の場面に応じてふさわしい内容を考え表現する力、資料から情報を整理して表現する力、英文から情報を正確に読み取る力、英文を論理的に構成する力、まとまりのある文章の概要や要点をとらえ内容を理解する力について、基本的な力と応用的な力を総合的にみることができるように出題した。

分析と解説=臨海セミナー/高橋 仁(小中学部事業部 本部統括長)
◆表現力を重視し難化
 昨年と比べ、リスニングを含む大問9題であることは変わらないが、文法問題の配点が増えた分、長文問題での配点が減り、全体として小問数が1題増えた。英文記述問題や完全解答を要求する設問が増え、全体的に難しくなった。基本的な英語力とコミュニケーション能力をみるために、文法力、読解力をバランスよく問う出題となっている。与えられた情報を基に考え、英語で表現する力が求められている。教科書の表現を身に付け、それらを使った英作文の練習や、多くの英文に接する学習が必要だ。

 問1 放送時間は9分程度。対話の完成では、すばやく場面を把握して適切な発言を考えるコミュニケーション能力が求められた。(ウ)は日本語の記述から英文の記述問題に変更。解答するために必要な情報はなにか、あらかじめ確認して、リスニングに臨みたい。

 問2 単語を書く問題。1題増加。昨年まであった日本語訳がなくなったため、前後の英文から空欄の単語を推測する。また、foreign、receiveなどつづりを間違いやすい単語が出された。

 問3 英文の空所を選択肢から補充する問題。難度は例年通りだが、1題増加。動詞の語形変化は頻出。

 問4 並べかえ。不要な語が1語ある形式は昨年同様。現在完了、間接疑問など頻出の文法事項が多く、難度は高くない。

 問5 英作文。1題増加。(イ)は受験生が設問に合う英文を自由に考えて書く問題で、神奈川では今まであまり見られなかった形式だ。

 問6 絵の内容を表す英作文。昨年よりも最少語数が増加したため、難度は上昇した。

 問7 図表を多用した長文問題。文章量は昨年と同程度で、設問が1題減ったが、文章内容との正誤問題が完全解答であるため、得点するには内容を早く正確に理解する力が必要。

 問8 表やグラフ、英文についての問題。1題減ったが、語数や資料の分量は変わらず、得点するのに時間を要する。

 問9 対話文の読解。文章量は昨年より増加。空欄補充の問題では前後のつながりから適切な表現を選ぶなど、内容を正確に把握しながら読み進める必要がある。


国語 出題のねらい
 中学校までに学習する国語の内容について、古文、文学的な文章、論理的な文章、韻文などを素材として、基本的な国語の力を中心にみることを主なねらいとした。

 具体的には、文章全体の流れを理解しながら、文脈の中における語句の意味をとらえる力、表現上の工夫に注意する力、登場人物の描写や言動の意味などを考え、内容を理解する力、文章を目的や必要に応じて要約したり要旨を的確にとらえたりする力、文章の構成や展開、表現の仕方を正確にとらえる力、目的に応じて必要な情報を読み取る力、伝えたい事実や事柄を適切に表現する力について、また、漢字を読む力と漢字の楷書を字形に配慮して書く力、助詞の働きに注意する力、俳句を読み味わう力などについて、基本から応用の段階に至るまでの国語の力を総合的にみることができるように出題した。

分析と解説=湘南ゼミナール/伊藤 宏樹(国語科コンテンツリーダー)
◆多角的に読解力問う
 出題ジャンル、問題形式、難易度は昨年とほぼ変わらなかったと思う。問四の記述問題において、字数がほぼ倍増したのが目を引いたが、難易度は下がった。文章は、全てのジャンルで教訓的な内容を扱うものに変わった。

 問一は知識問題。漢字の読みは漢検準2級まで、書き取りは5級までが出題された。文章内の助詞の識別、俳句・短歌の鑑賞問題も昨年と同様の形式だった。俳句の鑑賞文では、「鍵あいて」の解釈がやや難しかったか。

 問二の古文は、3年前の入試と同様に、出典は江戸時代に書かれた文章だった。補助訳が増え、内容的に読み取りやすいものになった。設問は、判断に迷うものが少なく、文章内容が理解できれば容易に解けるものだった。

 問三の小説は、「仕事観」という中学生にとってはなじみの薄い内容ではあったが、心情が直接的に表現されているものが多く、読み取りやすいものだった。設問では、文脈の中における語句の意味をとらえる力を試す問題が多かった。(イ)の記述問題は、問題文にある「原因を含めて」という内容に注目できたかがポイント。主題・文章の特徴をとらえる問題は出題されなかった。

 問四の論説文は、抽象的な内容を扱う文章に変わった。例年に比べて具体例が少なく、筆者の意見を適切に読み取るのが難しくなった。

 設問では、(エ)の書き抜き問題が最も難しく、「理由を端的に表した語句」を書き抜くという抽象度の高い発問内容だった。(オ)の条件作文は、「百字以上百十字以内」と、字数が大幅に増えた。だが、書きだしと結びの条件語句に似た表現が文章中にあるため、それほど難しいものではなかった。字数の多さに戸惑うことなく、チャレンジすれば解ける可能性は十分ある。

 問五の資料読み取り作文は、昨年より難易度が下がった。(イ)の記述問題は、適切に情報を読み取り、読み取った情報にあてはまる内容を本文中に探せば、答えは一つに絞られる。これらの作業をいかに素早くできるかがポイントである。


数学 出題のねらい
 中学校までに学習する数学の内容について、基本的な数学の力を中心に、計算の技能、事象を数理的に考察し表現する力、数学的な見方や考え方など、総合的な力をみることを主なねらいとした。

 具体的には、数と式の計算技能、関数とそのグラフについての基本的な概念の理解、収集した資料を整理する力、問題を正しく把握し方程式で表現する力及び方程式を活用する力、図形の計量についての力、図形について論理的に表現する力をみることができるように出題した。

分析と解説=中萬学院/渡辺 伸(高校受験指導事業部 数学科教科長)
◆資料活用から初出題
 全体構成および設問数、配点は昨年度と同様であったが、出題単元に変化が見られた。

 問1と問2は、基本的な計算力と幅広い単元の基礎力を問う設問が計12問出題され、配点は44点。中3で学習する範囲を中心に、各単元の典型的な問題が出題されている。問4における出題単元の変化の影響か、問2で確率が出題されたのは共通入試では初めてだ。

 問3は関数の問題。(ア)(イ)は出題形式・難度ともに例年並み。だが(ウ)の四角形の面積を2等分する直線の式から座標を求める問題は、“四角形が平行四辺形であることを見つけ、面積を2等分する条件から通る点を求め、直線の式を決定した上で交点の座標を求めていく”やや難度の高い問題だった。

 例年、確率が出題されていた問4は、中1で学習する「資料の活用」に関する問題だった。初めての出題であり、ヒストグラムや度数分布表を正確に読み取り、中央値・最頻値といった用語の意味を正確に理解した上で取り組まなければならない点からも、戸惑った受験生は少なくないと思われる。

 問5は、中3で学習する2次方程式を用いた、割合に関する文章題。(イ)は、2段階で割り増しすることから方程式を立て、途中経過を記述しながら答えを導く問題で、私立入試などでよく見られる難度の高い問題であった。

 問6は円錐(えんすい)を用いた立体に関する問題。体積を求める(ア)、2点間の距離を求める(イ)は、過去にもよく出題された典型的な問題であったが、立体の表面を通る最短距離を求める(ウ)は、出題形式自体は過去の共通入試でもよく見られるものの、補助線を加えて相似な二等辺三角形を作り解いていく過程は、かなり難度が高いと言えるだろう。

 問7は昨年と同様、円の性質を利用して三角形の相似を証明する記述問題。証明する二つの項目がともに、2段階の手順を踏まなければならないために、記述量は昨年よりも増えた。

 出題単元の変化や、問3と問6の最終設問(ウ)の難度から考えると、教科書にある数学の基礎知識を正確に身につけた上に、より多くの問題に触れ応用力を養成していく必要性が増してきたと言えるだろう。


理科 出題のねらい
 中学校までに学習する理科の内容について、基本的な力を幅広くみることを主なねらいとし、第1分野、第2分野のどちらの分野にも偏らないように出題した。

 具体的には、科学的な知識や概念の理解とそれらを活用する力及び科学的な見方や考え方をみることができるように出題した。また、観察・実験に関しては、目的をもって実験を設定する力、観察・実験から得られた結果を分析して解釈する力、導き出した考えを表現する力をみることができるように出題した。

分析と解説=ステップ/前中 智夏(教材研究課 理科担当)
◆難度の高い複合問題
 物理、化学、生物、地学から25点ずつ均等に出題された。大問8題の構成は例年通りである。

 神奈川の理科は昨年、大幅に難しくなったため、その難易度の変化が注目されていた。今年は基本事項を問う問題もあったが、思考力・表現力を総合的に問う問題や数学的知識を複合させる問題が引き続き多く出題されており、単なる暗記では対応できず、高い難度であったと言えよう。

 問1の(イ)では、台車Aのばねと台車Bのばねにはたらく力は、それぞれ作用・反作用の関係であることに注目。そのため力の大きさは等しく、ばねの縮みは同じになる。また(エ)はスクリーンに高さが2aとなる像を作図し、相似を利用して焦点距離を求める。数学的思考を含む問題であったため、受検生にとって難しかっただろう。

 問4の(ウ)はまず、オリオン座は冬を代表する星座であり、図では2の位置の地球(北半球が冬)の右側(太陽の反対側)にあることが分かる。オリオン座の方向にある月が半月であるから、地球の位置は1か3に絞られる。1だと夜には東の空に見えないので、答えは3となる。ちなみに2の位置でオリオン座方向に月があれば満月、4だと新月である。

 問5は電流が磁界から力を受ける問題。(ウ)の記述問題は、「磁界の向きを逆にする」だけでなく、「流れる電流の大きさを大きくする」という点についても触れて35字以内にまとめる必要があった。

 問6は酸とアルカリの中和に関する問題、問7はメンデルが行った遺伝の規則性の問題。ともに実験が複数ある上、問題の文章が長いため、内容を整理する力が問われ、ここも難度は高かった。

 問8の(ウ)は岩石が等粒状組織であることから、マグマが噴出して山が形成されたわけでなく、地下深くで冷やされ、その後隆起してできたことを読み取る必要があった。

 複合的な知識を要求され、そのすべてが正確に分かっていないと答えを選べない問題も多く、一問一答形式の練習のみで正答を選ぶのは難しい。今後も同様の形式の問題が出題されることが予想される。実験や観察の目的をより明確にして日々の学習に取り組むとよいだろう。


社会 出題のねらい
 中学校までに学習する社会の内容について、基本的な力を幅広くみることを主なねらいとし、地理的分野、歴史的分野、公民的分野のどの分野にも偏らないよう出題した。

 具体的には、地理的分野では、世界や日本の地域構成等についての基本的な知識や技能などを、歴史的分野では、古代から近現代までの日本の歴史の大きな流れと各時代の特色に関する基本的な知識や資料を活用する力などを、公民的分野では、現代社会の特色、日本の政治・経済、国際社会についての基本的な知識などをみることができるように出題した。また、複数の資料から必要な情報を読み取って、思考・判断し、その結果を文章で表現するなど、総合的な力をみることができるように出題した。

分析と解説=家庭教師のトライ/木村 隆広(家庭情報センター)
◆速く正確に情報処理

【問題構成】
 例年通り、大問6題。(1)地理(世界)(2)地理(日本)(3)歴史(原始~近世)(4)歴史(近代~現代)(5)公民(政治・経済・国際)(6)公民(政治・経済・環境)という構成。設問数は35で、3分野から偏りなく出題されている。

【全体の出題傾向】
 各分野とも、資料を読んで答えさせる形式が基本である。問題の分量が多いのも特徴で、設問数だけでなく、読み取るべき設問文・資料・選択肢の文の分量が多い。また、複数の設問にすべて答えられて初めて得点になる完答形式の問題が7問もある。総じて、速く正確な情報処理能力が求められている。

 また、「記述・論述問題」が歴史で1問(70字以内)、公民で2問(25字以内・85字以内)、出題されている。

【地理的分野】
 3分野の中で、難易度が最も高い。計算問題、地形図の読み取り、地図作図の問題が毎年出題されている。地図作図の問題は計算力も必要で、多くの受験生が手を焼きそうな問題である。日本地理の分野では、例年地域に関する問題が出題されているが、地域についての知識がなくても、基礎知識と設問条件を合わせて考えれば答えられる良問である。

【歴史的分野】
 原始~近世では、カードに写真資料と説明が載っている問題が、毎年出題されている。また、近代~現代ではテーマ史が出題されている。全体的に、単問単答的な設問が減り、応用力を必要とする考察問題が増えている。

【公民的分野】
 現代社会の幅広い問題が取り上げられており、設問も資料を基に考察させる良問が多い。国際問題・環境問題が必ず出題されている。

【対策】
 基礎的な知識を確実に習得した上で、資料を読み取って考察する問題の演習を積み重ねることが学習の基本となる。問題演習にあたっては、事象を単独でとらえず、他の事象とどのように関連しているかという「関係性」を、資料を基に理解することが3分野に共通する勉強のポイントだ。

 また、例年必ず出題されている「論述問題」の対策は特に重要で、語句指定など設問文が求めている「条件」をしっかり読み取って答案練習をすることが大切である。

定時制

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 数学(問題・解答用紙) | 数学(解答)


〔定時制の課程〕英語 出題のねらい
 中学校で学習する英語の内容について、基本的な英語の力を中心に、英語のコミュニケーション能力をみることを主なねらいとした。

 具体的には、音声による英語を理解する力、単語を正しく書く力、日常生活の様々な場面で用いられる表現を理解する力、文構造や語法を理解する力、状況にふさわしい内容を表現する力、まとまりのある文章の概要や要点をとらえる力、英文や資料から情報を正確に読み取る力について、基本的な力と応用的な力を総合的にみることができるように出題した。

解説=臨海セミナー/高橋 仁(小中学部事業部 本部統括長)
 基本的な英語力とコミュニケーション能力をみる出題。大問はリスニングを含む8題。疑問詞のwhoと関係代名詞のwhoの区別など、英語学習の基本となる文法知識はしっかりと固めておく。問6(イ)は場面に合った表現を英語で書く問題。問8の対話文はホームページを見ながら映画を見に行く予定を決めていく問題。いずれも日常生活での実用性が高いものだ。教科書の表現を理解し、それを使った英作文などを繰り返し練習することが高得点につながる。


〔定時制の課程〕国語 出題のねらい
 中学までに学習する国語の内容について、文学的な文章、論理的な文章、古文、韻文などを素材として、基本的な国語の力を中心にみることを主なねらいとした。

 具体的には、文章全体の流れを理解しながら、登場人物の描写や言動の意味などを考え、内容を理解する力、文の内容や要旨を的確にとらえる力、文章の構成や展開、表現の仕方を正確にとらえる力、目的に応じて必要な情報を読み取る力について、また、漢字を読む力と漢字の楷書を字形に配慮して書く力、慣用句や敬語などを実生活の中で適切に使う力、俳句を読み味わう力などについて、基本から応用の段階に至るまでの国語の力を総合的にみることができるように出題した。

解説=湘南ゼミナール/伊藤 宏樹(国語科コンテンツリーダー)
 出題ジャンル、発問形式は昨年とほぼ同じだった。知識問題は幅広く、基本的な内容が出題されている。論説文は、「きれいなもの」という共通のテーマについて二つの文章が出題されたのが大きな変更点。


〔定時制の課程〕数学 出題のねらい
 中学校までに学習する数学の内容について、基本的な数学の力を中心に、計算の技能、事象を数理的に考察し表現する力、数学的な見方や考え方など、総合的な力をみることを主なねらいとした。

 具体的には、数と式の計算技能、関数とそのグラフについての基本的な概念の理解、図形についての基本的な知識を活用する力、問題を正しく把握し方程式で表現する力及び方程式を活用する力、収集した資料を整理する力、関数を活用する力をみることができるように出題した。

解説=中萬学院/渡辺 伸(高校受験指導事業部 数学科教科長)
 大設問8問で小問数は31題。中学3年範囲から約2割、中学2年・中学1年からそれぞれ約4割となっており、出題比率および配点も、ほぼ昨年度と同様。問5の(イ)で、垂直二等分線の作図手順を答える設問が出題されている点を除けば、単元・難易度・形式ともに、昨年までの問題を踏襲しており、全体を通して中学で学習する基本的な計算力や各単元の幅広い基礎知識が問われている。過去の入試問題をしっかり演習しておくことが効果的と言えるだろう。

 
 

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