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【社説】認知症国家戦略 患者本位の体制構築を

社会 | 神奈川新聞 | 2015年2月16日(月) 11:49

政府は「認知症施策推進総合戦略」を決定した。認知症の高齢者を取り巻く多様な問題の解決へ、省庁横断の国家戦略として位置づけた。高齢化の加速を踏まえ、予防や早期発見に力点を置きながら、生活全般にわたり患者の視点に立った支援体制の構築を急ぐべきである。

前提として、認知症の人が2025年に700万人前後に増えるとの推計を示した。着目すべきは認知症の高齢者の割合が現状の7人に1人から5人に1人になると見込む点である。認知症は誰もが関わり得る一般的な病気と認識すべきだ。

戦略では省庁の縦割りを排し、厚生労働省だけでなく警察庁、消費者庁など国を挙げて取り組む体制に発展させた。

施策の総合化が必要なのは近年、徘徊(はいかい)による行方不明、詐欺被害、高速道路の逆走など課題が多様化しているからだ。従来、医療・介護の側面が重視されてきたが、高齢者の安心、安全を確保するための仕組みづくりを進めるべきだ。

戦略が提示した七つの柱の中で注目したいのは、発症の初期段階での対応強化である。医師に加え歯科医師や薬剤師らも対象にした研修の新設は、重症化防止の鍵を握る早期発見につながろう。在宅ケアの充実の観点からも、高齢者の生活圏に活動拠点を置くさまざまな医療従事者が認知症に理解を深めることは不可欠といえる。

主要施策として、専門医の指導を受けた看護師らが自宅で相談や支援を行う「初期集中支援チーム」を全市町村に設置する方針も打ち出した。主治医や総合病院との情報交換を密にするなど、多職種が有機的に連携した実効性のあるケア体制の構築が求められよう。

認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられることが大切だ。有力な担い手になるのが、日常の中で認知症の人や家族を支える認知症サポーターである。戦略では養成目標を大幅に引き上げた。単に人数を増やすだけでなく、地元企業なども含め見守りの土壌醸成につなげたい。

加齢に伴い発症するアルツハイマー病やパーキンソン病に対する根治薬は開発されていない。治療法の確立は世界的な要請でもある。早期開発へ向け、国家プロジェクトとして引き続き人材や研究費を注力してもらいたい。

【神奈川新聞】

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