米海軍は10日、在日米海軍司令部(横須賀市)のテリー・クラフト司令官ら少将3人を、米海軍に関連する企業から贈り物を受け取ったとして、戒告処分にしたと発表した。
クラフト司令官は退役願を提出しており、来月にも後任の司令官に交代する。クラフト司令官は2013年8月に着任していた。メイバス海軍長官は「信用と責任を必要とするリーダーは、高い価値基準の振る舞いを求められる」と非難した。
米海軍の発表によると、クラフト少将ら3人は06年から07年の間、原子力空母ロナルド・レーガンの乗員として第7艦隊管轄地域の西太平洋で任務に就いていた。この間、米海軍から艦船への補給サービスなどを請け負う企業と問題のある関係を築き、米軍の倫理規則に抵触して贈り物を受け取った、とされる。
2人は営業宣伝を目的とした贈り物を受け取り、1人は贈り物を要求したという。現時点で3人は訴追されていないが、それぞれ退役願を出した。
シンガポールに本拠地を置くこの企業と米海軍の関係をめぐってはこれまで、別の軍幹部らが売春のあっせんなどの見返りとして同企業に機密情報を漏えいするなどの便宜を図ったことが明るみに出ており、大規模な贈収賄スキャンダルに発展している。この企業は贈収賄罪で既に起訴されている。軍当局は複数の米海軍人が関わったとみて、全容解明に向けた捜査を続けていた。
【神奈川新聞】