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旧吉田邸再建着工へ 戦後政治史の舞台が16年度開館

社会 | 神奈川新聞 | 2015年2月11日(水) 03:00

再建される旧吉田邸の完成予想図
再建される旧吉田邸の完成予想図

2009年3月に焼失した旧吉田茂邸(大磯町西小磯、国府本郷)の再建計画で、大磯町は3月、建物の再建工事に着手する。県とともに整備し既に部分開園している庭園と建物の景観はほぼ往時を再現、戦後政治史の舞台の一つがよみがえる。町は10日発表した15年度一般会計当初予算案に、全国から集まった寄付金の残高1億9千万円を全額繰り入れた。16年3月までに完成、16年度の開館を目指す。

再建される建物部分は、木造(一部鉄筋造り)の地上2階、地下1階で、延べ床面積は約740平方メートル。地上部分には応接間や食堂などがあり、写真などを基に再現した調度品などを入れ、吉田茂元首相の業績や大磯での生活ぶりを紹介する資料を展示する。地下には、町民向けの研修室を設ける。

同邸は、吉田元首相の養父が1884年に別荘として建て、その後、吉田元首相が住んだ。増改築が繰り返されたが、町教育委員会生涯学習課によると、戦後に昭和期の著名な建築家・吉田五十八の設計した部分が高く評価されている。

再建資金をめぐっては、焼失直後の2009年4月、町が寄付金を広く募る基金条例案を提案したが、町議会は「再建内容が明確でなく拙速」として否決。だが地元商工会などが民間での基金設置を進めたことなどを受け、町議会は同7月、議員提案で基金条例を成立させた。

基金には北海道から九州まで多くの人が賛同。東日本大震災後に募金活動の休止時期もあったが、昨年末までに約2億9700万円の浄財が寄せられた。

町教委生涯学習課は「いよいよ建物の再建着工まできた。近現代史を学ぶ場として活用したい。町にある『邸園文化』の核施設にもなる」と期待している。

大磯町は着工に合わせ3月7日、県立大磯城山公園(同町国府本郷)で報告会を開催。町が企画・製作し、戦中・戦後の吉田元首相の業績をニュース映像も交えて紹介するビデオの無料上映会も予定している。

【神奈川新聞】

 
 

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