鎌倉市の海水浴場のルールなどについて市民らが議論する協議会が5日、同市内で開かれた。市はこれまで、協議会で海の家の営業ルールを決めるとしてきたが、この日の会合では海の家側の要望を受け入れる形で「提言にとどめる」ことを明らかにした。協議会での議論の結果が営業ルールに反映されない可能性も出てきたことから、他の委員からは批判の声も上がった。
海の家の経営者らでつくる市海浜組合連合会は、規制強化を打ち出す市の方針などに反発して1月9日の前回会議を欠席。市によると、4日までの市と組合側の交渉で、協議会での議論は組合側への提言にとどめ、実際のルールは組合側が決定することや、これまで市側が務めてきた協議会長を互選で決めることなどを確認した。
5日の協議会で、組合側は「われわれの商売の時間や形態を(協議会で)決めていただくわけにはいかない」「提言は真摯(しんし)に受け止めルールに盛り込む」と重ねて強調。これに対し、他の委員からは「議論結果と異なるルールを組合が決めるなら、協議会の意味がない」など、協議会の形骸化を指摘する声が相次いだ。
また、市は▽海の家の営業時間▽ライブハウス型営業▽騒音対策▽酒類の提供-の4項目に関して規制強化案を提示。支持する意見が出された一方、組合側は「午後10時までの営業時間などを定める現行ルールを基本としていく」との見解をあらためて示した。
市は次回26日予定の会議までに委員の意見をまとめ、提言案を作成するとしている。
【神奈川新聞】