
米軍池子住宅地区(逗子市池子)の一部40ヘクタールで、日米共同使用による「池子の森自然公園」の開園を祝う記念式典とオープニングイベントが31日、行われた。
式典で平井竜一市長は、「市民が長らく抱いた夢がきょう実現した。貴重な自然を守り、未来へ引き継いでいくとともに、日米交流がさらに広がることを期待している」とあいさつした。
スペシャルゲストとして世界陸上400メートル障害銅メダリストの為末大さん(36)を迎え、集まった市民らと公園内をランニング。広大な自然が残る樹林地を満喫した。
公園の一般利用は、2月1日から始まる。
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日米共同使用による「池子の森自然公園」(逗子市池子)開園の記念式典が行われた31日、集まった市民らは“悲願”の公園に憩い、記念すべき日を祝った。
終戦間もなく接収された池子地区は、市制が施行された1954年に返還運動が始まった。米軍住宅建設をめぐっては市内が二分されるなど、長年、市の最重要課題であり続けた。昨年11月に実現した日米共同使用は返還へ向けた一歩であり、地元に暮らす両国住民の一層の交流も期待されている。
この日は晴天の下、在日米海軍横須賀基地司令官のデイビッド・グレニスタ大佐の号砲で平井竜一逗子市長や防衛省南関東防衛局の丸井博局長、ゲストで元陸上選手の為末大さんらが市民とともに公園内を快走。県立逗子高校吹奏楽部と米海軍第7艦隊バンドが合同演奏するなど日米友好ムードを感じさせる催しにも、市民らがしきりに拍手を送っていた。
同市池子に住む男性(79)は「皆が待ち望んでいた日だ。この素晴らしい自然を大切に守っていきたい」と感慨深そうに話していた。
市は今後も、全面返還を最終目標に国などとの交渉を重ねていくとしている。
【神奈川新聞】