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【社説】人質殺害画像 人命第一堅持し解決を

社会 | 神奈川新聞 | 2015年1月26日(月) 10:11

過激派組織「イスラム国」とみられる組織に拘束された湯川遥菜さんが殺害されたとみられる画像について、政府は信ぴょう性が高いとの認識を示した。

一方、後藤健二さんの安否情報をめぐっては、政府首脳は「つまびらかにできない」と説明した。着目したいのは要求が身代金から女性死刑囚の釈放に変わった点である。いかなる理由にせよ独善的な主張を掲げ人命を顧みない蛮行を断じて許すことはできない。

政府は人命第一を堅持し、政治的主張の思惑を見極めながら、ヨルダンやトルコなど関係国との連携を通じ引き続き早期解放に努めてもらいたい。日本人殺害の可能性という事態を踏まえ、これまでの経緯を十分に検証し過激派の実態を把握することも急務である。

殺害警告を受け日本政府はヨルダンに対策本部を設置。イスラム国と関係を持つイスラム指導者、宗派などに協力を求め交渉しているとみられる。中東情勢の複雑化や時間的制約に加え、欧米諸国と異なり現地に深く浸透した情報網を欠くことが解決を困難にしているのだろうか。

米英はテロ組織を増長させないため身代金の支払いに応じぬようくぎを刺している。欧米諸国との共同歩調と人質解放というジレンマの中で日本政府がぎりぎりの判断を迫られていることは間違いない。近現代の西洋的な価値観を全否定しているテロ組織への対応、交渉の困難さも浮き彫りになった。

イスラム国は中東支援を曲解し大義にした。援助公表に当たりテロ組織の巧妙な手口を熟慮すべきだったとの指摘もある。ただし、日本が非軍事分野での平和外交を継続することは、貧困など過激派の温床の解消につながると捉えるべきである。

今後、国際連携によるテロ対策の強化とともに、過激派が横行する要因、背景の分析も急ぐ必要がある。相次ぐ犯行の目的は何か。原因究明は組織を根絶するための有力な手がかりにもなろう。今回の事件を機にオバマ米大統領はイスラム過激派一掃にさらなる決意を示した。ただし有志連合による空爆は限界があるとみるのが妥当であろう。

国内では集団的自衛権行使へ向けた安保法制整備が本格化する。今回の事態が自衛隊の邦人救出のあり方にどのような影響を与えるのか。憲法9条を踏まえながら注視したい。

【神奈川新聞】

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