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“横浜モスク”でイスラム教徒が祈り「生きて帰って」

社会 | 神奈川新聞 | 2015年1月24日(土) 03:00

イスラム寺院で祈りを捧げるイスラム教徒ら =横浜市都筑区の「ジャーメ・マスジド横浜」
イスラム寺院で祈りを捧げるイスラム教徒ら =横浜市都筑区の「ジャーメ・マスジド横浜」

過激派「イスラム国」とみられるグループが日本人2人を人質に取り、殺害を予告した事件は23日午後、72時間の身代金の支払い「期限」を過ぎた。「命だけは」「生きて帰って」。少ない情報に焦燥感が募る中、希望をつないで無事を願う知人たち。日本在住のイスラム教徒らも解放を祈った。

金曜日の集団礼拝日に当たる23日午後。横浜市都筑区にあるイスラム寺院「ジャーメ・マスジド横浜」(横浜モスク)には、県内に住む約200人のイスラム教徒が集い、一心に祈りをささげた。

「拘束された日本人2人の無事を祈った」。同モスクの代表を務めるスリランカ出身のハミル・ラムザンさん(46)=同区在住=は、手を合わせながらそう話した。家族とともに日本で暮らして18年。「日本人とは兄弟のような気持ち」でいるからこそ、「2人が無事に戻り、家族のもとで平穏な暮らしに戻ってほしい」と願う。

イスラム教徒として、イスラム国へ向けるまなざしは厳しい。同モスク運営委員でパキスタン出身の林アルタフさん(55)=川崎市高津区=は、「『イスラム』と名乗ってはいるが、殺人を繰り返すイスラム国は他者を尊ぶイスラム教の教えとは全く異なる」と批判する。

第2の聖典とされる預言者ムハンマドの言行録(ハディース)にある「理由なく1人の人間を殺した者は、全人類を殺したことと同じである」との一節を引き、「世界中のイスラム教徒は、イスラム国の人間を同じイスラム教徒とは認めていない」と憤った。

ラムザンさんは、日本はイスラム地域に軍事介入をしていないことから、「好意を抱くイスラム教徒は世界中にたくさんいる」と話す。

だが、フランスで預言者の風刺画を掲載した風刺週刊紙本社が銃撃される連続テロ事件も発生。ラムザンさんは「在日イスラム教徒への偏見につながるのでは」と不安を抱く。スリランカにいる家族も、日本の世相の変化を心配して電話をかけてきたという。

「世界中のイスラム教徒が、2人の無事を祈っている」。他のイスラム教徒の思いを代弁するように、ラムザンさんは強調した。

【神奈川新聞】

 
 

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