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宿場町の趣次代へ 藤沢市が4月に街並み「地区指定」

社会 | 神奈川新聞 | 2015年1月20日(火) 03:00

旧東海道沿いに建つ「桔梗屋」。国登録有形文化財にもなっている歴史的建造物だ=藤沢市藤沢1丁目
旧東海道沿いに建つ「桔梗屋」。国登録有形文化財にもなっている歴史的建造物だ=藤沢市藤沢1丁目

宿場町の趣の残る街並みを保全するため、藤沢市は4月、旧東海道藤沢宿周辺の地域を「街なみ継承地区」に指定する。2014年4月施行の市条例に基づく制度で、指定区域もこのほど公表された。区域内では建築物の色彩や設(しつら)え、広告物などで独自ルールを設定。散策を楽しめる取り組みも進める。

指定する区域は、藤沢橋周辺から小田急線藤沢本町駅周辺にかけての旧東海道(現在の国道467号)沿いの約61ヘクタール。江戸時代に東海道6番目の宿場町として整備され、遊行寺の門前町として、また江の島・大山参詣の中継地として栄えた。

現在も多くの神社・仏閣や史跡が集まる。歴史的な建造物も多く、市も交流施設「ふじさわ宿交流館」(仮称)の建設を進めるなど、旧宿場町の趣を活用したまちづくりに力を入れてきた。

今回の指定もその一環。14年施行の「市街なみ百年条例」では、良質な街並み形成を図るエリアを「街なみ継承地区」に位置付けることにしており、今回が適用第1号となる。

昨年末には、指定区域の範囲とともに、まちづくりの取り組みやルールを盛り込んだガイドラインも公表された。ルールに罰則や強制力はなくあくまで任意の協力だが、区域内の建築物は色彩や形態、素材などで周囲の景観と調和し、旧東海道の趣を継承することが求められる。また、ごみ置き場やエアコンの室外機、外階段などは可能な限り格子や植栽で覆い、道路からの見え方に配慮する。

一方、行政も電線の地中化を進めたり石畳風の道路舗装を取り入れたりする。また、多くの人に回遊してもらうため、案内板の設置や史跡整備、小休憩所の設置にも取り組む。歴史的建造物を後世に残すため、1950年以前に建てられた町家や蔵については、保全工事や耐震改修工事で費用の一部を補助する。

建築物のルールに関して、市街なみ景観課は「性急な対応を住民に求めるものではない。建て替え時や改修時にルールに沿った形にしてもらえれば」としている。

現在、地元住民から指定区域とガイドラインに関する意見を集約しており、指定区域は微修正される可能性もある。

【神奈川新聞】


 
 

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