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【社説】保育所トラブル 関係構築し問題解決を

社会 | 神奈川新聞 | 2015年1月18日(日) 10:49

待機児童解消に向けて、各自治体で保育所の整備が急ピッチで進む一方、保育所が地域で「迷惑施設」と捉えられるケースが出てきた。保育中の子どもの声が騒音だとして訴訟が起きたり、近隣住民の反対で新設が難航したりと、保育所への風当たりは強まっている。

理由はさまざま考えられる。核家族化や地域の人間関係の希薄化が進み、高齢者世帯を中心に、幼い子どもが身近とはいえない存在になりつつある。かつての保育所が地主や寺社などによって開設されることが多かったのに対し、近年は地域と関係の薄い社会福祉法人や株式会社による参入も増え、保育所は地域の“新参者”として事業を展開せざるを得なくなっている。

横浜国大大学院の田中稲子准教授らの調査では、2011年4月以降に開設した横浜市の認可保育所、横浜保育室、家庭的保育事業などの約6割が、近隣に対して保育時間中の室内の子どもの声を気にしていた。

保育所の多くは具体的に苦情を受けておらず、田中准教授らが調査したいくつかの施設の騒音レベルはそれほど高くはなかった。

しかし、「迷惑施設」と捉えられがちな風潮に、保育所側も過敏になっている。園庭遊びや楽器演奏を控えるなど、実際に保育活動に影響が出ている施設もある。

子どもにとって、元気よく走り回ったり、大きな声を上げたりして、思い切り遊ぶことは、心身の成長に欠かせないものだ。子どもの体力や運動能力の低下も問題視されて久しい。社会全体で子どもを育てる視点を持ち、互いに歩み寄りたい。

音は実際の音量よりも、相手との関係によって、うるさく感じたり、気にならなかったりすると専門家は指摘する。人間関係の構築は、騒音問題を中心とするトラブル解決のヒントになりそうだ。

保育所側も町内会の行事に参加するなど、積極的に地域と関わってみたい。また行政も新設を急ぐばかりでなく、保育所と地域が良好な関係を築けるよう橋渡し役を担い、開設後もサポートしてほしい。

地域と保育所の関係づくりの効果は問題回避だけにとどまらない。住民と子どもたちが顔見知りになり、日常的にあいさつや会話を交わすことは、防犯対策や災害時の備えにもつながる。それは子どもにも住民にも望ましい環境となるはずだ。

【神奈川新聞】

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