東日本大震災で岩手県釜石市内の小中学生約3千人のほぼ全員が無事だった「釜石の奇跡」から学ぼうと、同市内で防災教育に取り組んできた群馬大学大学院の片田敏孝教授による講演会が、三浦市初声町入江の潮風アリーナで行われた。パネル討論では阪神大震災の被災経験者らが体験を基に防災の教訓を語った。
市と横浜YMCAの主催。同市では例年、「防災とボランティア週間」(1月15~21日)に合わせた講演会を開いており、その一環。
片田教授は、釜石市内で震災前から防災教育に取り組んでおり、子どもたちが避難するときの心構えを身に付けるに至った経緯などを説明し、一人一人が自ら判断して逃げることの大切さなどを指摘した。
パネル討論では、阪神大震災で被災し、復興支援に従事した日本キリスト教海外医療協力会事務局長の大江浩さんら4人が登壇。大江さんは「阪神大震災で日常と、災害という非日常とをつなげて考える大切さを感じた」と振り返った上で、個人が地域とのつながりをつくっておくなどの普段の取り組みの大切さを説いた。
【神奈川新聞】