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鎌倉・戦前建築の旧図書館が解体へ

社会 | 神奈川新聞 | 2015年1月6日(火) 13:00

木立に囲まれた瀟洒な雰囲気の旧図書館。鉄筋コンクリート造りを模した木造モルタル造りで床面積は455平方メートル =鎌倉市御成町
木立に囲まれた瀟洒な雰囲気の旧図書館。鉄筋コンクリート造りを模した木造モルタル造りで床面積は455平方メートル =鎌倉市御成町

◇歴史検証せず疑問の声も

鎌倉を愛した篤志家の寄付で戦前に建てられ、鎌倉市の図書館として長年使われた建物が解体されることが、5日分かった。所有者の市は老朽化を理由に解体予算2860万円を計上したが、耐震診断など詳細な調査は行っていない。市民からは「鎌倉の文化を築いた『礎』を簡単に壊していいのか」と文化行政に疑問の声が上がる。

建物は1936年に完成した木造2階建てで、御成町の市役所と市立御成小学校の間にある。軍に接収された戦時中を除き、74年まで図書館だった。その後は市教育委員会の機関などとして用いられた。

市管財課は「木製窓枠の所々が腐り、かつて入居していた学童保育施設『子どもの家』の保護者から建て替えを要望されたこともある」と老朽化した現状を説明。6~9月に解体し、2階建てのプレハブ庁舎を建てるという。

これに対し、図書館利用者の市民らでつくる団体「図書館とともだち・鎌倉」の和田安弘代表は、この建物を「近代鎌倉の礎」と位置づけ保存を求める。

2011年刊行の「鎌倉図書館百年史」の執筆にも関わった和田代表は、明治から戦前までの鎌倉では、文化教育施設の多くが寄付で賄われた経緯を指摘。旧図書館を「街の基礎を築いた大切な遺産」とする。耐震性も歴史的な意義も検証せず、解体を決めた市の姿勢を問題視している。

旧図書館の建設には、鎌倉に居を定め、銀行家として横浜などで活躍した間島弟彦(1871~1928年)の遺産が充てられた。「児童閲覧室」「婦人閲覧室」など、当時としては先進的な部屋もあった。間島は生前から教育支援に熱心で、母校の青山学院(東京都渋谷区)には名を冠した「間島記念館」も現存し、国の登録有形文化財になっている。

市内に住む建築家、菅孝能さんは「瓦屋根と縦長の窓がマッチした和洋折衷の建物で、意匠が凝らされている」と評価。隣接する御成小には同じく昭和初期の講堂も現存することから、「一体的に保存活用する意義がある」と話している。

【神奈川新聞】

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