目の不自由な人に本格的なクライミングを体験してもらおうと、秦野市戸川の県立山岳スポーツセンターで21日、体験教室が行われた。県公園協会の設立40周年を記念したイベントで、県立平塚盲学校(平塚市)の10~40代の生徒6人が参加した。
参加したのは、同校のクライミング部に所属し、日ごろ同校にある高さ8メートルのクライミングウォールで練習しているメンバー。この日は同センターの高さ15メートルの本格的なウォールに挑戦した。
参加者たちは、「ホールド」と呼ばれる大小さまざまな突起につかまったり、足を掛けたりしながら、上を目指した。途中で止まってしまっても、指導に当たった県山岳連盟のメンバーらから「11時の方向に右手を伸ばして」といったアドバイスを受け、一歩一歩着実に登っていた。
生まれつき全盲の中学1年生、男児(13)は「クライミングを始めて10カ月。垂直の部分はすいすい進めるけれど、裏返しの傾斜がある所は難しい。いろいろな形のホールドがあるのが楽しい。将来はもっと高いところに挑戦したい」と手応えを感じていた。
【神奈川新聞】