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食で広がる交流の輪 相模原市で外国人向け料理教室が人気

社会 | 神奈川新聞 | 2014年12月19日(金) 03:00

茶わん蒸しの作り方を教える富永さん(右)=相模原市南区の富永さん宅
茶わん蒸しの作り方を教える富永さん(右)=相模原市南区の富永さん宅

相模原市で開催されている外国人向けの日本の家庭料理教室が、市内外に住む外国人の間で人気だ。教室を開いた富永紀子さん(45)=相模原市南区=は「知り合いも少なく、日本での生活に不安を感じている外国人も多い。食を通じて交流の輪を広げる手伝いができれば」と思いを込める。

11月中旬の富永さん宅のキッチン。お湯を沸かした鍋にかつお節を入れると、だしの香りが部屋中に広がった。

「いいにおい」。生徒から歓声が上がった。

この日の生徒は横浜市内に住むイラン出身のハミッド・タマセビさん(52)。イスラム教徒のハミッドさんのために、酒や豚肉を使わない献立を富永さんが考え、みそ汁や茶わん蒸しなど5品に挑戦した。ハミッドさんは「思ったより難しくない。これからも作りたい」と話していた。

料理教室は個別(グループを含む)レッスン形式。会社勤務の傍ら、休日を活用して自宅で教室を開く。言葉は生徒により日本語や英語を使い分ける。これまでに韓国、中国、フィリピン出身の外国人ら20組ほどが受講した。

教室を始めたきっかけは10年ほど前、ニュージーランドの初老夫婦が営む小さなペンションで囲んだ夕食だ。

食卓に並んだのは、オーナーの旦那さんが釣った海産物や、自家製ソーセージなどの家庭料理だった。初めて食べる異国の「家庭の味」のおいしさに感動した。

食卓をともにしたオーナー夫婦との会話も忘れられない。お互いの国の文化の話、夫婦のなれ初め…。会話は弾み、帰国後も交流が続いた。

「日本にいる外国人とも料理を通してコミュニケーションをしたい」

もともと料理好きだった富永さん。職場の外国人の同僚に料理を教えるなど活動を始め、今年9月に念願の日本料理教室を立ち上げた。口コミやインターネットなどで受講者は増え、週末はほぼ教室の予約が入る。特に今月の「おせち料理」編は人気だったという。

外国人から「難しい」と思われがちな日本食。レシピはできるだけ簡単にすることを心掛けている。生徒自身が別の場所で披露して、新たな交流を生んでほしいからだ。

「不安を感じている外国の方を料理の面からサポートできれば」と富永さん。レッスン後は完成した料理を皆で食べて、生徒との交流も生まれている。

【神奈川新聞】

 
 

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