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【照明灯】赤い実

社会 | 神奈川新聞 | 2014年12月18日(木) 09:41

花の乏しい冬に彩りを添えているのが、低木の赤い実のいろいろである。〈赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実をたべた〉。懐かしい童謡が口をついた▼「赤い鳥小鳥」の作詞は北原白秋。小田原に住んでいた1918(大正7)年、作家・鈴木三重吉が創刊した児童雑誌「赤い鳥」に発表した。白い小鳥は白い実を食べたから、青い小鳥は青い実を食べたから、と続く▼冬の赤い実は見る人の心に温かいものを届け、年の瀬や正月の風情を盛り上げてくれる。例えば、セイヨウヒイラギは色鮮やかな実と、とげのある葉の緑の対比が美しく、クリスマスの装飾の定番として使われてきた▼新年の生け花や寄せ植えにも「実もの」は欠かせない。マンリョウ(万両)、センリョウ(千両)、さらに百両(カラタチバナ)、十両(ヤブコウジ)、一両(アリドオシ)まである。いずれも常緑の低木で「縁起木」と呼ばれている▼ナンテンは「難を転じて福となす」に通じるとして植えられる。人は勝手に縁起をかついでいる。だが冬に目立つ赤い実を付けるのは生き残り戦略であり、食べた小鳥に種を拡散してもらう。正月を前に実をヒヨドリに食べ尽くされたと嘆いたとしても、ナンテンにとっては「難」ではなく「福」である。

【神奈川新聞】

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