南足柄市で活動する草月流薮田社中(薮田紀子代表)の12人を中心とする使節団18人がこのほど、インドの地方都市ジャイプール市を訪問し、現地の女学校や商工会議所などで生け花の実演や講演を行い、草の根交流を実らせた。
ジャイプール市は、インドの首都ニューデリーから南西約260キロ。人口305万人で、旧市街は褐色の城壁に囲まれ「ピンク・シティー」とも呼ばれる。
南足柄市出身のカメラマンで、インドの仏像写真などを手掛ける松本栄一さんが仲介し、訪問が実現した。11月初旬に、ジャイプール市のマハラニ・ガヤトリ・デヴィ女学校のメーンホールで、社中の12人は黒衣の作業着姿になり、女子中高生や教師らが入れ代わり立ち代わり見守る中、生け花を実演した。
現地で調達したカサブランカやヤシの葉を中央に置き、竹を組み、両脇に日本から持参した色鮮やかな和服の帯15本を配置。高さ2メートル、幅6メートル、奥行き2メートルの巨大な生け花を、6時間ほどで仕上げた。
女生徒らは「帯は何に使うの」「長さはどれくらい?」などと次々に質問し、日本文化に興味津々の様子だったという。
参加者(76)は「文化の種がまかれて、日印の絆がすくすく育ってほしい。多くの方々に感謝です」とほほ笑んだ。
【神奈川新聞】