飲酒運転で人身事故を起こし、発覚を免れるために逃走したとして、自動車運転処罰法違反(発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた横浜市瀬谷区、元飲食店店長の男(30)の判決公判が10日、横浜地裁であり、三浦透裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。5月に新設された発覚免脱罪での判決は県内で初めて。
判決によると、被告は9月16日、同市西区の国道で酒を飲んだ状態で乗用車を運転。停車していたトラックに追突し、男性に胸の骨を折る重傷を負わせながら、飲酒の発覚を免れるため逃走、同僚の勤務先で過ごすなどした。
三浦裁判官は判決理由で、「規範意識を著しく欠き、悪質な犯行」と非難。一方で、反省の態度を示していることから、刑の執行を猶予した。
発覚免脱罪(最高刑・懲役12年)は、酒や薬物の影響で事故を起こしたことを隠すために逃走する「逃げ得」を防ぐために新設された。
今回の事件では、検察側は事故前に飲酒した飲食店の売り上げ記録などから、飲酒の事実を立証した。判決後、被告の弁護人は「本人も法の趣旨を理解し、反省を深めていた。新法ができた意味は大きかったと思う」と話した。
【神奈川新聞】