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14神奈川衆院選:問う(4)子育て 躍る公約に届かぬ思い

社会 | 神奈川新聞 | 2014年12月7日(日) 11:00

ひとり親家庭に支給される児童扶養手当のチラシを見つめる女性=茅ケ崎市内
ひとり親家庭に支給される児童扶養手当のチラシを見つめる女性=茅ケ崎市内

年の瀬に保育園を探さなければならなくなったのは、ようやく住み慣れた湘南のまちを今月中に離れるからだ。理由は離婚。6年連れ添った夫と「どうしても性格が合わなくて」。茅ケ崎市の主婦(36)は5歳と2歳の兄弟を連れ、両親の住む横須賀市内に引っ越す。

幸い仕事は見つかった。結婚前に勤務していた福祉施設でのケアマネジャー。しかし、保育園探しは思うに任せない。「認可保育園に子どもを1月から預けたいと申請しているが、かなり難しそう。生活のために少しでも早く働きたいのに」

県内の他の地域より一足早く少子高齢化が進み、1992年のピーク(約43万5千人)から人口減少が続く横須賀市。市は若い世代の転入促進を重要課題に挙げるものの、全体の人口が伸びる見通しがない中、積極的な保育園の整備は進めていない。

今年4月時点の待機児童数は茅ケ崎市の140人に対し、横須賀市は24人とはるかに少ないが、同市の担当者は「比較的入園しやすいのは5、6月ぐらいまで。それ以降の年度途中は受け入れが難しい」と現状を明かす。

仕方なく認可外保育園の利用を視野に入れる女性にとって、ネックは高い保育料。「2人預ければ毎月9万円かかる。転居先の家賃は6万円。これでは手元にはいくらも残らない」。仕事を始めても月収は二十数万円にとどまる見込みだ。認可外施設を利用する親の負担を軽減する茅ケ崎市のような補助金制度も、横須賀市にはない。

専業主婦から一転、急な事情に対応できず、地域格差もある保育サービスの現状を身をもって知った女性は訴える。「母親が働きやすい環境にはほど遠い。国がもっと役割を果たしてくれないと、母子家庭は食べていけない」

一方、認可保育園の定員増などを積極的に進める川崎市。4月時点の待機児童数は1年前の438人から62人へ大幅に減り、3年ぶりに「県内ワースト」を返上した。

1歳3カ月の長男と向き合うため育児休業中の松倉愛子さん(33)=同市高津区=は、しかし、掲げられる目標や達成された数字ばかりが重視される現状に首をかしげる。いずれ仕事に復帰するつもりだが、「育児や家事と両立できるか」不安を拭えない。

安倍晋三首相が経済団体に要請した「3年育休」も冷ややかに受け止める。その後の成長戦略スピーチで「3年間抱っこし放題での職場復帰」を支援していく方針も打ち出したが、松倉さんは「育休3年なんて制度を整えられるのは体力のある会社だけ」。

自分に置き換えてみる。「もし3年も休んだら、社会復帰できるのか自信が持てない。それよりもまず男性が育休を取りやすくする方が先」だと思う。「安倍さんは子どもが月に1度は熱を出すってことを知っているのだろうか」

各党の公約はうたう。「若い世代の就労・結婚・子育ての希望を実現」「小規模・家庭的保育を含めた多様なサービスの新規参入」「扶養する子供の数が多いほど所得課税が少なくなるフランス型の世帯所得課税制度の導入」「消費税増税に頼らない公的保育の拡充」-。争点の見えにくい選挙戦を見つめながら、自分に言い聞かせる。「みんないいことばかり言っている。本当に実現できるのか見極めなければ」

【神奈川新聞】

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