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【社説】長野北部の地震 「直下」の備え再確認を

社会 | 神奈川新聞 | 2014年12月4日(木) 11:59

1人の死者も出なかったことが、「奇跡」とも言われている。長野県北部に最大震度6弱の揺れをもたらしたマグニチュード(M)6・7の地震。倒壊した住宅の下敷きになった住民は、近隣の人たちに重機やジャッキで助け出された。わずかな隙間があったおかげで一命を取り留めた男児もいるという。

全半壊した家屋は約100棟。数字上の被害は大きくないとはいえ、住み慣れたわが家を失った人々が平穏な暮らしを取り戻すのは、たやすいことではない。国や自治体は被災者の要望や生活再建の課題を丁寧に聞き取りながら、被災者本位の復旧や復興を進めてほしい。

地震の規模は、10月で発生から10年を迎えた新潟県中越地震(M6・8)とほぼ同じである。同地震では68人が犠牲になったが、このうち建物の倒壊や土砂崩れによる「直接死」は16人にとどまった。むしろ避難生活中に体調を崩すなどした「関連死」が52人に上ったことに注目する必要があろう。

中越の被災地と同様に、長野北部も雪深い地域である。間もなく本格化する雪のシーズンを前に、仮住まいの確保などを早めに講じておくことが欠かせない。

今回地震が起きた場所は、地震を起こすエネルギーが蓄積されやすい「ひずみ集中帯」と呼ばれるエリアだ。状況はやや異なるが、私たちの住む首都圏もまた「地震の巣」であり、同じようなM7級の地震が発生する恐れがかねて指摘されている。

長野や中越のような山間部と異なり、人口や産業が集積した都市部が直下地震に見舞われると、どのような事態が生じるのか。木造住宅の密集地で火災が燃え広がる危険性が高い上、ライフラインの寸断や交通の途絶による生活への影響、膨大な数が予想される避難者の受け入れ対応など不安材料は尽きない。

さらに、超高層ビルなどを揺らす長周期地震動にも注意が必要だ。長野北部の地震では、震源から離れた場所で強い揺れが観測され、東京都心にも揺れが及んだ。住民はエレベーターの停止などに備えるべきだ。

来年1月で20年の節目を迎える阪神大震災では6400人余りが犠牲になる一方、共助の力でがれきの中から救助された住民も多い。

災害時に問われるのは人であり、地域である。あらためて肝に銘じ、一人一人が備えにつなげたい。

【神奈川新聞】

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