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厚木爆音訴訟:東京高裁で控訴審はじまる

社会 | 神奈川新聞 | 2014年11月28日(金) 03:00

厚木基地第4次爆音訴訟の控訴審に向かう原告団や弁護団のメンバー=東京高裁前
厚木基地第4次爆音訴訟の控訴審に向かう原告団や弁護団のメンバー=東京高裁前

在日米海軍と自衛隊が共同使用する厚木基地(大和、綾瀬市)の航空機騒音をめぐる「厚木基地第4次爆音訴訟」の控訴審の第1回口頭弁論が27日、東京高裁(斎藤隆裁判長)で開かれた。国側は、全国で初めてとなる自衛隊機の飛行差し止めと、騒音被害に対して約70億円の損害賠償を命じた一審横浜地裁判決の破棄を請求。住民側は一審判決で退けられた米軍機の飛行差し止めなどを求めた。

国側は控訴理由書で、自衛隊機の持つ高度な公共性と公益性を強調。一審判決は、周辺住民は睡眠妨害など深刻な被害を受けているとして深夜から早朝にかけての自衛隊機の飛行差し止めを命じたが、「住民の被害は生活妨害にとどまり、差し止め訴訟の要件となる重大な損害が生じる恐れは認められない」と主張した。

約70億円の賠償が認容された点についても、「騒音低減は図られており、基地の使用は違法なものではない」と訴えた。

一方、住民側も控訴理由書で、米軍機の飛行差し止めについて「根拠となる規定が存在しない」などとして退けた一審判決に対し、「日米地位協定で厚木基地の中心部分の管理権は国にあり、国には米軍に対する規制権限がある」などと反論した。

また、今年7月から11月にかけて、原告団の調べで米軍の新型輸送機オスプレイが約40回にわたって厚木基地に離着陸したり、周辺を飛行したりしたことなどを挙げ、基地機能の強化が進み騒音解消が図られていない現状を訴えた。

住民側は今後、騒音被害の実態などをさらに立証する予定。

◇「血の通った判決を」

「耐えがたい爆音にさらされている一人一人の苦しみに寄り添った、血の通った判決を」-。東京高裁の法廷で意見陳述した50代の女性は、裁判長に静かな憤りをぶつけた。

女性は大和に移り住んで約30年。茨城に住む母は女性との電話を何より楽しみにしているという。だがその楽しみが、爆音で途切れてしまう。「音がやむまで待って」と伝えても、待ちきれず受話器を置いてしまうこともあるという。「取り戻すことのできない時間が奪われた」

団長として約7千人の原告団をまとめる藤田栄治さん(80)は法廷で、司法への信頼を強調した。

過去3回の訴訟で、航空機の爆音は違法と認定された。さらに今年5月の一審判決は、自衛隊機の夜間・早朝の飛行の差し止めを命じた。

米軍機に関しては認めなかったが、藤田さんは「自衛隊機よりはるかに激しい音を出している米軍機に対しても、当然、飛行が制限されるべきだと、国に訴えている」と判決の「真意」を読み解き、こう締めくくった。「被害を根本的に防ぐには、飛行差し止めしかない。判決の真意を、控訴審でもう一度示していただきたい」

◆厚木基地第4次爆音訴訟

厚木基地の周辺住民が自衛隊機、米軍機の飛行差し止めと騒音被害に対する損害賠償を国に求めた訴訟。2007年12月に提訴し、原告数は計約7千人、請求額は1人月額2万円。1976年から続く訴訟の4度目の訴えで、従来の民事訴訟に加えて初めて行政訴訟でも提訴した。今年5月の一審横浜地裁判決は、行政訴訟で全国で初めて自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じた。一方、米軍機の差し止めは請求を却下し、民事訴訟では自衛隊機、米軍機ともに請求を退けた。損害賠償として全国の基地騒音訴訟で過去最大となる約70億円の支払いを国に命じた。

【神奈川新聞】

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