長野県北部の地震で震度6弱が観測された長野市内の一部で、超高層ビルや石油タンクなどを揺らす長周期地震動(階級1~4)が階級3の強い揺れとなっていたことが、気象庁の解析で27日分かった。長周期の観測情報の発表が昨年3月にスタートしてから「3」が観測されたのは初めて。
おおむね周期1秒以上の長周期地震動は地震の規模が大きいと発生し、遠くまであまり弱まらずに伝わるのが特徴。周期が長くなるほど、より高いビルが影響を受けやすくなる。
長野地方気象台によると、階級3となったのは白馬村の震源地から直線で27キロほど離れた同気象台の震度計。この地点の震度は5強だった。
強かったのは周期1・5秒前後の揺れで、「長周期の中では短いため、15階建て前後のビルが大きく揺れた可能性がある」(気象庁地震津波監視課)という。階級3は「立っていることが困難」などと定義されている。
長野市災害対策本部はこれまでに市内のマンションなどで大きな被害は確認していないものの、職員の一人は「ガタガタとした激しい揺れの後、船酔いを感じるような大きくゆったりとした揺れがしばらく続いた」と話す。
この地震では、東京都心でも周期5~7秒台の長周期地震動が観測されたが、階級は1だった。数十階以上の超高層ビルに若干の影響があったとみられる。
気象庁の集計では、長周期の観測情報が発表された地震は今年10月までに18ある。昨年4月の淡路島の地震などで観測された階級2が最大だった。
【神奈川新聞】