米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に抗議する住民らの姿を追ったドキュメンタリー映画「圧殺の海 沖縄・辺野古」(藤本幸久、影山あさ子監督)の上映会が24日、横浜市港北区新横浜のスペース・オルタで始まった。舞台あいさつに立った藤本監督は「総選挙の大きな争点であるべき沖縄の基地問題を考えるきっかけにしてほしい」と訴えた。
映画は、工事着工の今年7月から9月を中心にキャンプ・シュワブのゲート前や辺野古の海上で行われている抗議活動を記録。デジタルカメラ4台で捉えた生々しい映像で最前線の状況を伝える。10月下旬から今月中旬まで沖縄で先行上映され、大きな反響を呼んだ。
16日の沖縄県知事選では移設阻止を掲げた翁長雄志氏が初当選した。藤本監督は「名護市長選などと合わせ沖縄県民の意思は明確になった」と指摘。一方で「安倍政権が総選挙で信任を得たと考えれば、知事と市長の権限を特措法で奪い、工事を強行するかもしれない。米国との軍事的一体化をさらに進めるのか、総選挙に沖縄と日本の未来が懸かっている」と話した。
映画を観覧した神奈川区の無職男性(69)は「基地をなくし、憲法を守るため、頑張らなくてはならないと感じた」。都筑区の主婦(63)は「多くの人に見てもらい、総選挙を考える材料にしてほしい」と話した。
上映会は25、30日の午後1時、3時半、6時。各回後に藤本監督が映画に込めた思いや最新の辺野古の状況を語る。1200円(前売り1000円)。問い合わせと予約は、スペース・オルタ電話045(472)6349
【神奈川新聞】