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死刑制度どう向き合う 裁判員経験者らがシンポ

社会 | 神奈川新聞 | 2014年11月1日(土) 03:00

さまざまな立場から死刑制度について意見を述べる登壇者=東京都・霞ケ関の弁護士会館
さまざまな立場から死刑制度について意見を述べる登壇者=東京都・霞ケ関の弁護士会館

裁判員経験者や元刑務官らが、死刑制度を考えるシンポジウムが10月30日夜、東京都内で開かれた。登壇者は、命と向き合ったそれぞれの経験を踏まえ、死刑制度の是非について意見交換した。

東京地裁で裁判員を務め、経験者の交流団体を立ち上げた田口真義さん(38)は「死刑判決に関わり、自らの判断で人の命を左右した経験者の煩悶(はんもん)は、言葉にできないものがある」と指摘。元刑務官の野口義国弁護士は約40年前に執行に立ち会い、踏み板が外されて宙づりとなった死刑囚が揺れないよう、ロープを押さえる役割を担当したといい、「家族にも話せなかった。立ち会いの医師に『死刑囚より顔が真っ青だ』と言われた」と振り返った。

「遺族にもさまざまな感情があるのに、表層的な報道が死刑や厳罰化を後押ししている」と警鐘を鳴らしたのは、ジャーナリストの青木理さん。犯罪被害者支援に取り組む中根洋一弁護士は「遺族が加害者に死刑を求める気持ちを否定することはできない」と指摘しつつ、「今は弁護士も被害者側と加害者側に分かれている。死刑について被害者側弁護士も一緒に語れる状況をつくってほしい」と呼び掛けた。

また田口さんは、市民が刑事裁判に関わる裁判員制度を踏まえ「自らの問題として死刑制度を考えなければならない」と述べるなど、登壇者はそれぞれの立場からさらなる情報公開を求めた。シンポは東京弁護士会が主催した。

【神奈川新聞】

 
 

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