川崎市中原区に開設された遺体保管所をめぐり、周辺住民が市に規制強化などを求めている問題で、同市議会まちづくり委員会は29日、現地を視察して今後の対応策を探った。市によると、営業中を理由に内部は公開されず、事業者側からの説明もなかった。
開設場所は住宅と町工場が混在する準工業地域。市議会に陳情した住民グループ「宮内の遺体保管所“葬荘”を考える会」(増澤洋子代表)によると、9月上旬の開設後、夜間を中心に遺体搬入作業を確認した。
視察した委員は、住民らが見守る中、鉄筋3階建ての事業所を外からチェック。臭気や感染症など周辺への影響に懸念を示し、市の担当者に「排気口が隣家に近すぎる」「衛生面を含む早急なルールづくりが必要」などと問題点を指摘した。
同会ではこれまで、搬入時間の制限や住民視察、冷蔵施設の整備などを業者に要望したが、いずれも受け入れられなかったという。増澤代表は「住民に寄り添う姿勢がない。遺体保管所開設で街のイメージが悪くなった」と業者の対応を批判している。
【神奈川新聞】