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【社説】中越地震10年 共助と復興、経験に学べ

社会 | 神奈川新聞 | 2014年10月23日(木) 09:59

68人が犠牲になった新潟県中越地震から23日で10年となる。首都圏と生活環境は大きく違うが、私たちが学ぶべき点は多い。

まずは被害の特徴から教訓を見つめたい。観測史上初めて震度計で震度7が記録された同地震は、震源地周辺に広がる中山間地の集落に壊滅的な被害を及ぼした。

地域によっては積雪が5メートルにも達する豪雪地帯である。一部損壊以上となった住宅は12万棟を超えたが、柱などを太くした耐雪構造が被害の軽減に一定の効果を果たしたとされる。何よりもまず、強い家に住むことの大切さを示している。

その一方で、直下からの激しい揺れと続発した余震で、地滑りや土砂崩れが多発。それによって家を失った被災者や孤立した集落も少なくない。中越地震が「地盤災害」と形容されるのはこのためだ。

周囲の地形に潜むリスクを把握しておくこともまた、食料などの備蓄や通信手段の確保とともに、自助の欠かせない視点と言えよう。

最大で10万人を超えた避難者の対応も大きな教訓を残している。本来の避難所である学校なども被害を受けたため、近隣の駐車場やビニールハウスに身を寄せ合う被災者が相次いだ。窮屈な「車中泊」などを原因としたエコノミークラス症候群が大きな問題となった。

死者68人のうち、建物の倒壊や土砂崩れによる直接死は16人。これに対し、避難生活のストレスなどに伴う関連死が52人と大半を占めた。

災害後のなるべく早い段階から、避難者の心のケアや体調管理に力を注げるかは、人材の確保も含めて引き続き大きな課題である。とりわけ直接死だけで2万人を超える死者が想定される首都直下地震で関連死を防ぐには、中越の経験や反省を十分踏まえなければならない。

こうした苦難の日々を乗り切れたのは、農作業や雪下ろしなどを通じて培ってきた人々の支え合いがベースにあったからに他ならない。さらに被災者や自治体の声を踏まえ、使い勝手のよい基金が設立されるなど丁寧に復興を進めたことも大きかったと言えよう。例えば被害の激しかった小千谷市が昨秋実施した住民意向調査では、8割以上が「おおむね復興した」と回答している。

終着は容易に見通せないが、復興の主役に被災者を据えた姿勢にこそ多くを学びたい。

【神奈川新聞】

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