大学生らによる横浜港の内港地区を対象としたまちづくりコンペが19日、横浜市中区で開かれた。2大学から建築やまちづくりを学ぶ計5グループが参加。水上交通や水路、図書館などを生かした柔軟なアイデアを発表した。最優秀賞には関東学院大学のグループが選ばれた。
みなと総合研究財団が主催するコンペは、海を生かしたまちづくりに関わる人材の育成などを目的に、2011年度から始まった。過去3回のテーマは横須賀の海がテーマで、横浜の海は初めて。
5大学10グループから応募があり、コンペには日本大学と関東学院大学の計5グループが参加。スライドを使って10分間ずつ説明し、地域特性の理解や、着想やプランの良さ、表現力などが審査された。
関東学院大のグループが提案した計画は「港を耕す」。浄化槽や紫外線を使って水質を向上させて多様な生態系を創出し、野菜の栽培や養殖を行う。観光目的が主のシーバスを日常生活でも利用してもらえるように、市営バスなどの停留所の近くに乗り継ぎ施設を設け、水辺にランニングコースやサイクリングコースを整備。自然、社会、人体の三つの環境を連動して向上させるプランだ。
代表を務めた宮下平志郎さん(25)は「こういう賞をもらうのは初めてなので素直にうれしい」と喜び、「観光客だけでなく、地域住民に対しても海と触れ合う機会を増やすことができれば、違った魅力が生まれると思う」と話した。
そのほか、水路を張り巡らせる計画を発表した日大のグループが企画賞に、図書館を活用したまちづくりを提案した同大学の別のグループがデザイン賞に選ばれた。
3賞を受賞したアイデアは、25、26の両日に横浜市中区の横浜赤レンガ倉庫広場で開催される「東京湾大感謝祭」の会場にパネル展示される。
【神奈川新聞】