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【照明灯】ダンチ族はいま

社会 | 神奈川新聞 | 2014年10月17日(金) 09:01

マンモス団地に暮らす木下ともおは小学4年生。友達との遊びに夢中で勉強は苦手だ。平凡な主人公を中心に昭和の日々を描く、小田扉さん作の漫画「団地ともお」(小学館)と、自分の思い出を重ね合わせる人が多い▼「あこがれの『団地』-高度成長とベッドタウン横浜」展が、横浜都市発展記念館(中区日本大通)で開かれている。昭和30年代、東京や京浜工業地帯などで働く人の数が増し、横浜市内には鉄筋コンクリート造り、2DKの集合住宅が次々に誕生した▼団地とは何だったのだろう。「ダンチ族」と呼ばれた新しい住民について、1965年元日付の小紙は「団地見たり聞いたり」と題した記事で分析を試みている。「95%は東京の勤め人」「“孤島の箱”にも満足」などの見出しが目を引く▼若い核家族が中心の地域共同体にはスポーツチームが生まれ、食品の共同購入なども盛んになった。やがて福祉、反戦といった住民運動へと発展し、既成革新政党の支持者が増加した▼建設から半世紀を経て、あこがれの的だった団地は今、老朽化が進み、高齢化に伴う孤独死や自治機能の低下などの課題を抱える。しゃれた分譲マンションへの建て替えも進む。ともおのような半ズボンをはいた少年らの歓声は遠のいた。

【神奈川新聞】

 
 

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