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【社説】伊勢原協同病院 不正請求疑惑の解明を

社会 | 神奈川新聞 | 2014年10月13日(月) 10:40

JA県厚生連伊勢原協同病院(伊勢原市)で、数千万円に上る診療報酬を不正請求していた疑いが明らかになった。徹底解明を求めたい。

疑義が生じているのは、血液や尿などを検査する場合に加算される「検体検査管理加算4」。専任の常勤医を1人以上配置することなどが条件だが、専任医が配置されていなかった可能性がある。同病院は今年8月末で請求資格を取り下げた上、厚生連は第三者による検証チームを設置。11月にも検証結果をまとめ、厚生労働省に報告するとしている。

2年ごとの診療報酬改定は、国が目指す政策へ誘導する意味合いが強いが、医療機関への適切な評価も大きな柱だ。今回問題となっている検体検査管理加算4は、大規模病院の手厚い検査体制を評価する狙いで2010年4月の改定で新設された。

算定できるのは、県内約6200の医療機関のうちわずか37(6月現在)にすぎない。これらの医療機関は、高度な診療体制を有した他の手本となるべき存在であるはずだ。そこで疑惑が生じているのは、診療報酬制度への信頼を揺るがしかねない事態ではないだろうか。

伊勢原協同病院で不正が許されない大きな理由は、もう一つある。施設の老朽化や狭隘化のため移転新築した同病院に対し、伊勢原市が多額の財政支援を行っていることだ。

経営難だった当時の伊勢原町立病院をJA県厚生連が引き受けた事情があり、伊勢原の地域医療の中心的な役割を担っているにせよ、建築費などで30億円、さらに長期分割交付に伴う利子補給分として6億6900万円(いずれも上限)の公費が補助される。民間病院以上の公正さが求められるのは当然だろう。

伊勢原協同病院と厚生連は、ことの重大さを十分認識した上で、徹底した事実の解明と、利用者らへの丁寧な説明をしてほしい。結果として診療報酬の返還を求められれば、きちんと対応すべきだ。

厚労省によると、12年度に医療機関に対し診療報酬の返還を求めた額は約130億4千万円に上る。保険医療機関の指定取り消し処分は72件で、大半が不正請求によるものだった。きっかけは半数以上が関係者からの通報だという。不正は決して許されない。医療費の増大を抑制し、誰もが安心して治療を受けられるようにするためにも、厚労省は指導を強化する必要がある。

【神奈川新聞】

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