研究所移転を提案 小田原市は「産学連携期待」と評価 関東学院大
社会 | 神奈川新聞 | 2014年10月11日(土) 03:00
関東学院大学法学部が小田原キャンパス(小田原市荻窪)から金沢八景キャンパス(横浜市金沢区)へ移転する計画について、同大は10日、移転後も小田原キャンパスを保有し、金沢八景キャンパス近くにある材料・表面工学研究所(同)を移転させる計画を小田原市に提案したと発表した。小田原キャンパスの誘致に40億円以上を支出している市は「産学連携も期待できる」などと評価し、提案を受け入れる方向で検討している。
同大は9月30日に同研究所の移転計画を市に提案。地元の中小企業との産学連携や、市民講座への講師派遣、子ども向け実験教室の実施などの地域貢献策を示している。
同研究所は、車の部品などに使われるめっき技術や、樹脂表面の改質などが研究テーマ。企業との共同研究に注力し、産学連携を積極的に進めているという。研究者と学生、企業研修生ら計約50人が所属している。
同大IR推進室は「私どもの最も強い部分を小田原に持ってくる。工学研究や産学連携の一大拠点として、小田原発の技術ブランドをつくりたい」と移転の意義を強調している。
市文化部は「産学連携にも大きく期待でき、地域活性化につながると評価できる。市の意思決定はこれからだが、大枠で受け入れる方向で検討していきたい」と話している。
大学側はまた、法学部が当初計画の2017年4月の一括移転ではなく、16年度の新入生から前倒しでの移転を検討していることも示した。
小田原キャンパスは1991年に開設し法学部のみ。敷地は約12ヘクタールで、市は大学誘致のため、用地取得費用などの大部分を占める約43億円を補助した。ピーク時は1820人(2005年度)の学生が在籍していたが、近年は少子化の進行に加え、大学間で法学部学生の獲得競争が激しく、現在の学生数は定員1320人に対し1131人と、定員割れしている。
他学部聴講といった学生の利便性向上などのため、同大は昨年7月に法学部の移転計画を市に申し入れ、両者間で協議を重ねていた。
【神奈川新聞】