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【社説】認定こども園 制度設計の誤り改善を

社会 | 神奈川新聞 | 2014年10月3日(金) 13:10

2015年度から始まる子ども・子育て支援新制度の移行を前に、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「認定こども園」の事業者の一部で認定返上を検討する動きが出ている。

現状の私学助成より園への公費投入額が減るとの懸念が強いからだ。県内私立幼稚園の認定こども園に7月に実施した意向調査では、相模原の4園と厚木の2園の計6園が認定返上を検討すると回答した。

本来は子育て支援の充実のために増やすべき施設が逆に減りかねない事態は極めて問題である。園関係者からは「制度設計に誤りがある」との声も上がる。国が責任を持って制度を点検し、事業者の不安感を払拭(ふっしょく)すべきだろう。

06年に始まった認定こども園は県内でそれほど普及していないが、在園中に親が働き始めても継続して利用できるメリットがある。新制度では待機児童解消の切り札の一つとしても期待されている。しかし、国が示した公費投入額の基準となる公定価格では、園児数が多い施設ほど子ども1人当たりの額が低く設定され、園によっては数千万円の大幅な減収を強いられるという。

国は利用者からの上乗せ徴収などで減収幅が圧縮できると想定している。だが園側には「安易な上乗せ徴収はできない」と抵抗感がある。減収分に対する独自支援を検討する自治体も出てきているが、来年度の園児募集が10月に始まる段階であり、国が対応を急がねばならない。

問題は認定こども園だけではない。子ども・子育て支援新制度に移行(検討中含む)する私立幼稚園自体が県内では17・7%(107園)にとどまる。全国(22・1%)より4ポイント以上低い。利用者にとっては選択肢となる受け皿がそれだけ狭まることになる。

やはり財源問題は大きい。新制度には1兆円超の財源が必要とされているが、見通しが立っているのは消費税率が10%に引き上げられた場合の増収分のうち約7千億円だけだ。保育所や認定こども園の増設のほか、保育士や幼稚園教諭の確保など量の拡充と質の向上を図るには財源確保が待ったなしである。

安倍晋三首相は「女性の活躍促進」を成長戦略の柱の一つにしており、安心して働き、子どもを育てるには子育て支援の拡充が欠かせない。自治体に負担をしわ寄せせずに、安倍政権はより主導性を発揮すべきだ。

【神奈川新聞】

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