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市大先端研究〈16〉遺伝子医療 ヒト幹細胞、応用が鍵

社会 | 神奈川新聞 | 2014年9月29日(月) 12:45

ジーンターゲティングとは?
ジーンターゲティングとは?

ヒトの体は約60兆個の細胞でできており、各細胞中には60億塩基対(全長2メートル)ものDNAが含まれている。DNAは遺伝情報の担い手であるが、細胞内で安定的に存在しているわけではなく、さまざまな要因によって絶えず損傷を受けている。

損傷は大抵はほぼ元通りに修復されるが、修復に失敗するとがん化や細胞死を招く。がんだけでなく、一部の早期老化や免疫不全、神経変性疾患もDNA修復の異常を原因としている。

こうした遺伝性疾患やがんを根治するための手段として、遺伝子治療が古くから注目されている。しかし、対象とする遺伝子のみを効率良く改変する、つまりピンポイントで治せるような技術はまだ確立されていない。

足立典隆教授の研究グループは、DNA修復のメカニズム解析と最新のバイオテクノロジー技術を駆使して、ヒト細胞の遺伝子を安全に効率良く改変するためのシステムの開発に取り組んでいる。

「ジーン(遺伝子)ターゲティング」と呼ばれる手法(2007年ノーベル医学生理学賞を受賞)に基づいた、革新的な遺伝子医療技術の開発を目指したプロジェクトだ。従来のジーンターゲティング法では効率が極めて低く医療への応用は困難だったが、足立教授は白血病由来の細胞において100%近い効率で遺伝子改変を行うことに成功。今後、ヒト幹細胞への応用が鍵となる。

足立教授は、ジーンターゲティングによって人為的に作製した「ヒト遺伝子改変細胞」を数多く保有している。この細胞は個々の遺伝子の機能解析に有用なだけでなく、優れた疾患モデルとしても利用価値が高い。また、抗がん剤開発や薬効評価のためのツール、さらには遺伝子医療の直接的ツールとして医療・創薬分野への幅広い応用が期待されている。 (生命ナノシステム科学研究科分子生物学)

【神奈川新聞】


足立典隆教授
足立典隆教授

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