
住民3人が死亡、6人が負傷した横浜・米軍機墜落事件から37年となる27日、横須賀市長沢の「平和の母子像」前で集会が開かれた。事件で妻が重傷を負った椎葉寅生さん(76)も参加。「このような事件を再び繰り返させない日本をつくろう」と訴えた。
1977年の墜落事件から8年後の85年、犠牲者の死を無駄にせず、事件を語り継ごうと像が建てられた。以来毎年、集会が開かれている。
被害者の冥福を祈るため、毎年参加している椎葉さんは「これは事故でなく、墜落事件。二度と繰り返してはいけない」と強調。事件を風化させまいという思いに加え、日本を取り巻く安全保障の変容についても触れ、安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定について「憲法9条で戦争は禁止されている。それを解釈で中身を変えようとした。こんなことを許したら国会も議員も必要なくなる。どうか皆さん、憲法9条を守ろうじゃないですか」と呼び掛けた。
米軍機に関わる事故は後を絶たず、昨年12月には三浦市で米軍ヘリが不時着に失敗した。「米軍基地がある限り、事故はなくならない」と椎葉さん。一方、米軍の新型輸送機オスプレイが県内にも飛来している現状について「あれは論外。米国が日本政府に売りつけようとしている。医療や福祉の予算は削られているのに、私たちの税金が使われている」と怒りをあらわにした。
事件は77年9月27日、在日米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)を離れたジェット偵察機が、エンジントラブルで横浜市緑区(現・青葉区)の住宅地に墜落。全身やけどなどで親子3人が死亡し、6人が負傷した。
【神奈川新聞】