南足柄市の「ふるさと寄付(納税)」の記念品として贈られている地場産の「相州牛」に申し込みが殺到し、市は本年度の受け付けを中止した。地元業者が担っている発送作業が追い付かないためで、市の担当者は「寄付件数の増加に貢献してくれていたので残念」と話している。
市は2013年8月から、市外在住者で1万円以上の寄付を条件に、相州牛肉(800グラム)のほか、練り製品や足柄茶の詰め合わせなど計8品から好きな1品を贈っている。
ふるさと寄付は12年度14件、13年度809件だったのに対し、本年度は8月末までにすでに2276件の申し込みがあり、記念品の対象者2254人の8割が相州牛肉を選んだ。
発送作業は、家族4人で経営している相州牛の卸売会社「長崎畜産」(同市竹松)が担当。あまりの申し込みの多さに、今夏から発送期限を30日から最大3カ月に延ばさざるを得なかったほど。このままでは年内の発送が難しくなるケースも出てくるといい、市は13日に相州牛の受け付けを中止した。
長崎畜産の長崎光次さん(36)は「品切れになったわけではないが、記念品の予定数量を超えてしまったため、ご理解をいただきたい。来年度も相州牛を提供できるように対応策を考えたい」と話していた。
【神奈川新聞】